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DOUBLE CROSSとは?やり方【図解】|成田蓮の必殺技、技名が"裏切り"を意味する変形フェイスバスター
— 必殺技解説 —

DOUBLE CROSSとは?やり方【図解】|成田蓮の必殺技、技名が"裏切り"を意味する変形フェイスバスター

USSIBLOG

※本記事はプロモーションを含みます

「土曜の深夜に観てたら、H.O.T.の紫のやつが相手の頭を掴んでバチンと落として終わった。あれ何?」 「ダブルクロスって名前だけ聞いた。名前の意味が知りたい」

こんにちは、営業部長のウッシです。

パラダイスロックスカルエンドファイヤーブラスターラスト・オブ・ザ・ドラゴンと、G1中継で検索される技を追いかけてきました。今回は成田蓮(なりた・れん)のDOUBLE CROSSです。

この技、じつは解説の入り口が「動き」じゃなくて「名前」にある数少ない技だと思っています。double-crossは英語で「裏切る」。そして成田がこの技を初めて出したのは、デビュー戦の相手だった同期・海野翔太を裏切って敵軍団に飛び込んだ、その日の試合でした。動きの構造も、名前の由来も、両方セットで理解したときにようやく「なるほど」と言える技です。順番に開けていきます。

結論から:DOUBLE CROSSはこういう技

正体は「変形のフェイスバスター」──両手で相手の両側頭部付近を挟み、自分はジャンプして開脚しながらシットダウンし、その落下で相手の顔面をマットに叩きつける。頭頂部から突き刺すDDTではなく、顔面から潰す系統の技。

系譜はXパックの「Xファクター」──ショーン・ウォルトマン(Xパック)のオリジナル技で、成田は「ダブルクロス」の名称で使用している。持ち上げないので発生が異常に速いのが最大の武器。

技名の意味は「裏切り」──2023年12月6日・唐津、WORLD TAG LEAGUE公式戦でタッグを組んでいた海野翔太選手を裏切ってHOUSE OF TORTUREへ電撃加入。その初戦=海野戦で使われたのが、この新フィニッシャーだった。

旧決め技は「成田スペシャル4号」──凱旋帰国後はフロントスープレックスホールド(成田スペシャル4号)で試合を締めていた。正攻法の投げ技から、一瞬で終わらせる急襲技へ。闇落ちは技にも表れている。

⚠️ 【重要・免責】本記事はプロレス観戦をより深く楽しむための「技術構造の解説」です。DOUBLE CROSSは相手の頭部を掴んで顔面をマットに叩きつける危険な技であり、専門的な訓練を積んだプロレスラーだけが行えるものです。一般の方が他人に掛けると、顔面・頸椎・歯牙の重大な損傷につながります。絶対に真似しないでください

★★★★☆ 叩きつけ技(フェイスバスター)
DOUBLE CROSS
ダブルクロス・裏切りの顔面砕き
👁 かけ方
正面から両手で相手の両側頭部付近を挟み込み、自身はその場でジャンプ。空中で開脚しながらシットダウンして尻から着地し、掴んだ頭を落下の勢いごと引き下ろして相手の顔面をマットへ叩きつける変形のフェイスバスター。担ぎ上げ動作がないため、打撃の交錯からでもロープワークの流れからでも突然差し込める。
⚔️ STATUS※プロレス30年・ウッシの独断評価
💥 破壊力7
⚡ 速さ10
🎯 決定力8
🎓 習得難度6
⚠️ 危険度8
🎭 魅せ度7
🥋 元祖・名手
系譜の元祖はXパック(ショーン・ウォルトマン)の「Xファクター」。成田蓮はこれを「DOUBLE CROSS」の名称でフィニッシャーとして使用している。同系統には軽量級選手がパワーボムへのカウンターとして用いる形や、ロープワークからの旋回式・スワンダイブ式のバリエーションも存在する。
📜 ひとくちメモ
技名の意味はそのまま「double cross=裏切り」。2023年12月6日・唐津市文化体育館のWORLD TAG LEAGUE公式戦でパートナーの海野翔太選手を裏切りHOUSE OF TORTUREへ電撃加入し、その初戦の海野戦でこの技が使われた。技名が、そのままキャリアの分岐点の記録になっている。

📌 この記事でわかること

  • DOUBLE CROSSの技構造──頭部の挟み込み・ジャンプ・開脚シットダウンの3段
  • やり方を5ステップで図解(観戦理解のための構造解説)
  • 技名「DOUBLE CROSS=裏切り」の由来と、2023年12月6日に何が起きたか
  • Xパックの「Xファクター」との関係、DDT・ペディグリーとの違い
  • 旧決め技「成田スペシャル4号(フロントスープレックスホールド)」との比較
  • 「フィニッシャーとしては軽く見える」という声への、ウッシの見立て
  • 地獄の断頭台・クロス式膝十字固め・改良型プッシュアップバーまで含めた成田の武器庫
  • 成田蓮という選手の輪郭(青森→ヤングライオン→LA道場→凱旋→闇落ち→軍団の首領)
  • G1 CLIMAX 36での成田の戦績(2026年7月26日時点)

✖️ まず名前から|「DOUBLE CROSS」は裏切りという意味です

技の解説は普通「動き」から入ります。でもこの技だけは順番を逆にしたい。

double-crossは英語で「裏切る/だます」。カードゲームやスパイ映画で「あいつにダブルクロスされた」という使い方をする、あの言葉です。プロレスの技名としては、かなり直球で不穏です。

なぜこの名前なのか。答えは2023年12月6日、唐津市文化体育館にあります。

この日、WORLD TAG LEAGUEの公式戦で成田蓮は海野翔太選手とタッグを組んで出場していました。相手はEVIL・高橋裕二郎のHOUSE OF TORTURE。試合中、成田はパートナーの海野を裏切り、対戦相手だったH.O.T.へ電撃加入します。そしてH.O.T.加入後の初戦=海野戦で使われた新フィニッシャーが、DOUBLE CROSSでした。

ここで押さえておきたいのが、海野翔太選手は成田のデビュー戦の相手だという事実です。2017年7月4日、新宿FACEの「LION’S GATE PROJECT 7」。約1年以上の練習生期間を経てリングに上がった成田の初戦は海野翔太選手で、結果は時間切れ引き分け。さらに2019年9月には2人そろって海外武者修行に出発しています。同期であり、ライバルであり、同じ道を通ってきた相手です。

その相手を裏切った日に、技の名前を「裏切り」にした。

プロレスの技名は、選手が自分に貼るラベルです。「レインメーカー」は金を降らせる男、「カミゴェ」は神の一撃。そのラベルに「裏切り」と書いた選手はそう多くない。しかも隠すどころか、毎試合その名前で勝つ。逃げ道を自分で塞ぐタイプの命名です。

異名も見てください。成田のニックネームは「SOULED OUT」「極悪将軍」「闇落ち新世代」「SON OF STRONG STYLE」SOULED OUT──魂を売り切った。ここまで一貫していると、もう見事だと言うほかありません。

軍団そのものの成り立ちはHOUSE OF TORTUREとは?軍団列伝にまとめています。

🧩 DOUBLE CROSSの正体|「持ち上げない」から速い

構造そのものはシンプルです。分解すると3層しかありません。

やっていること相手にとっての意味
① 挟み込み両手で相手の両側頭部付近を挟む頭が固定され、顔の向きを変えられない
② ジャンプ自分がその場で跳ぶ上へ引かれ、足が地面から浮く
③ 開脚シットダウン空中で開脚して尻から着地し、掴んだ頭を落下の勢いごと引き下ろす自分の体重+落下エネルギーが顔面に集中する

ポイントは「相手を持ち上げていない」ところです。

ブレーンバスターパワーボムのような投げ技は、まず担ぐ・抱える・持ち上げるという準備動作が要ります。その1〜2秒が、相手にとっては反撃のチャンスになる。だから大技は「捕まえるところ」がいちばん難しい。

DOUBLE CROSSは、その準備動作を捨てています。頭を掴む → 跳ぶ → 落ちる。それだけ。だから打撃の交錯の途中でも、ロープに走った勢いの中でも、突然差し込める。ヒールの技として、これは相当に理にかなっています。

そしてフェイスバスターというカテゴリーの定義もここで押さえておきます。フェイスバスターは日本名で「顔面砕き」。パイルドライバーの要領で持ち上げて前のめりに倒れ込み、うつ伏せの状態で相手を叩きつける技の総称です。膝などに相手の顔面を押し当てながらジャンプや踏みつけ、倒れ込む衝撃でダメージを与える技も、ここに分類されます。

DDTとの違いは明確で、DDTは頭部(頭頂部)を突き刺す/フェイスバスターは顔面を中心に潰す。落ちる場所が違うんです。

⚠️ 顔面を叩きつける技です。歯・鼻・眼窩といった守りの薄い部位に体重が集まる構造なので、遊びで真似すると本当に取り返しがつきません。構造を知るための解説であり、やり方の指南ではありません。

🔥 DOUBLE CROSSのやり方|5ステップで分解

DOUBLE CROSSの掛け方 模式図(変形フェイスバスターの構造) 正面から両手で相手の両側頭部を挟み、自身がジャンプして空中で開脚し、シットダウンしながら掴んだ頭を引き下ろして相手の顔面をマットへ叩きつける構造の抽象図。 DOUBLE CROSS|掴む→跳ぶ→開脚で座る→顔面が落ちる ① 正面から両手で  両側頭部を挟む かける側(成田) 相手 ② 持ち上げず、自分だけが跳ぶ  =準備動作ゼロ=発生が速い ③ 空中で開脚し、尻から着地 ④ 掴んだ頭を  落下ごと引き下ろす 顔面がマットへ 痛点:頭部固定 + 自分の全体重が乗る落下 = 受け身で逃がせる方向がない ※模式図(実姿勢を簡略化)

Step 1:正面で相手の頭を捕まえる

出発点は正面。相手が前のめりに屈んだ瞬間、あるいは打撃で上体が浮いた瞬間に、両手で両側頭部付近を挟み込みます。ここで頭が固定されるので、相手は顔の向きを変えられなくなる。

投げ技のように腕や胴を捕るわけではないのがポイント。捕るのは頭だけです。

Step 2:持ち上げない。跳ぶのは自分

第一の分岐点。ふつうの大技は「相手を持ち上げる」ところに一番のエネルギーを使いますが、この技は相手を担ぎません頭を掴んだまま、自分だけがその場で跳びます

この設計のおかげで、技の発生が異常に速い。テレビで観ていると、直前まで殴り合っていたのに気づいたら決まっている、という感覚になります。

Step 3:空中で開脚する

跳んだ成田は、空中で脚を左右に開きます。ここが独特で、この開脚があるおかげで着地点が低く、そして安定する。閉じた脚のまま落ちると腰から崩れますが、開脚しておくと骨盤が真下に落ちる。

見た目にも印象的な瞬間で、静止画にすると開いた脚がアルファベットの形に見える——だからこそ元祖の技名が「Xファクター」なのだろうと、僕は勝手に納得しています。

Step 4:シットダウン=顔面が落ちる

尻からマットに着地します。この瞬間、掴まれた頭は成田の落下と一緒に引き下ろされる。相手は顔面からマットに叩きつけられます。

大事なのは、威力の源が「投げ」ではなく「自分の落下」だということ。腕力で振り回すのではなく、体重を落とす。だから力任せに見えないのに、確実にダメージが入る。

Step 5:フォールへ

技を出した時点で成田は座った体勢でマットにいるので、そのまま倒れた相手に覆いかぶさるだけでフォールに移れます。担ぎ技のように「落としてから起き上がって押さえに行く」時間が要らない。速い技は、決めた後も速い

🔍 中継での見分け方
① 成田が相手の頭だけを両手で掴んだ → 警報
② 相手が持ち上がらないまま、成田が跳んだ → 確定
③ 成田が開脚して座り込んだ → DOUBLE CROSS。だいたいここで終わります

📺 動画で観る(公式)

文章で構造を掴んだら、新日本プロレス公式の「技図鑑」で実物を確認するのがいちばん速いです。0.5秒の技なので、正直これを観ないと腹に落ちません。

📺 公式「技図鑑」ダブルクロス/成田蓮(新日本プロレス公式YouTube)

跳ぶ・開く・座るの3拍子が、ワンテンポで終わっているのがわかると思います。

📡 この技を生中継で観るならPR
新日本プロレスの大会中継はスカパー!のテレ朝チャンネル2が定番です。技は図解で覚えて、決まる瞬間はテレビの大画面で。料金とチャンネルの選び方はスカパーのプロレスはテレ朝ch2かサムライ|料金と選び方で整理しています。

🆚 旧決め技「成田スペシャル4号」との違い|正攻法から急襲へ

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

成田は2022年10月10日・両国国技館で凱旋帰国を果たしました。LA道場での武者修行から戻ったこの日、6人タッグでDOUKIから3カウントを奪った決め技は「成田スペシャル4号」=フロントスープレックスホールドでした。

つまり闇落ち前の成田の締め方は、正面から抱えて後方へ反り投げる正統派のスープレックスだったんです。トレーナー欄に柴田勝頼・鈴木みのるが並び、異名にSON OF STRONG STYLEを持つ男の技として、これ以上ふさわしい決め技もありません。

比較項目成田スペシャル4号
(フロントスープレックスホールド)
DOUBLE CROSS
系統スープレックス(投げ技)フェイスバスター(叩きつけ技)
相手を持ち上げるか持ち上げる(抱えて反る)持ち上げない(自分だけ跳ぶ)
落ちる部位相手の後頭部・背中側相手の顔面
準備動作抱える時間が必要ほぼゼロ
出せる状況相手を捕らえて主導権がある時打撃の交錯・混戦の一瞬
印象正攻法・アマレス仕込みの美しさ急襲・不意打ち
時期武者修行期〜凱旋帰国〜ストロングスタイル期2023年12月6日のH.O.T.加入以降

見比べると、技の変更が完全にキャラクターの変更と一致していることがわかります。

正面から抱えて反り投げる技は、相手を捕らえている前提の技です。実力で組み止めて、そこから決める。対してDOUBLE CROSSは、混戦の一瞬に差し込む技。セコンドのディック東郷が場外でレフェリーを引っ張っている間に、乱れた状況からバチンと入れて終わらせる。

「勝ち方の設計」から変えているんですよ。ヒールになったから凶器を持った、というだけの話じゃない。試合の勝ち筋そのものを組み替えたんです。

フロントスープレックスという技の構造そのもの(なぜ美しいのか、どう反るのか)はフロントスープレックスとは?やり方【図解】にまとめてあります。そこに埋め込んである公式技図鑑の映像は、まさに成田本人のフロントスープレックスホールドです。DOUBLE CROSSと見比べてもらうと、この選手が何を捨てたのかがはっきりします。

🤔 「フィニッシャーとしては軽く見える」問題

正直に書きます。DOUBLE CROSSには「決め技としては軽く見える」という声があります。僕もSNSでそういう感想を何度も見ました。

たしかに、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンのように担いで頭から落とす技や、垂直落下式の投げと並べると、絵の重さは違います。持ち上げていない技ですから当然です。

でもこれ、設計思想が違うだけだと思っています。

① ヒールの技は「重さ」で勝負しない 反則を使う選手にとっての理想の決着は、相手が最も油断した瞬間に一発で終わらせることです。重い技は説得力が出る代わりに、時間がかかる=相手に準備を悟られる。DOUBLE CROSSは、その真逆を選んでいます。

② 「顔面」というのは、実は精神的に一番効く場所 プロレスは受け身の技術で成り立っていますが、顔面から落とされる技は受け身の逃げ場が構造的にありません。頭を掴まれた瞬間に、受け身の選択肢が消える。だから短時間でも試合が終わる説得力が生まれる。

③ そもそも成田は「これ一発」で勝つ選手じゃない 成田の試合を通しで観ると、フィニッシュまでの組み立ては徹底した膝攻めです。クロス式膝十字固めで片膝を執拗に潰し、動きを止め、そこから最後の一瞬にDOUBLE CROSSを差し込む。大砲ではなく、狙撃の技なんです。

反則がプロレスのルール上どう扱われているのか(なぜ5カウント以内なら見逃されるのか)はプロレスの反則ルールで整理しています。H.O.T.の試合を観るなら、ここを知っているだけで楽しさが倍になります。

🧰 成田蓮の武器庫|膝を壊してから顔面を落とす

DOUBLE CROSS単体では、この選手の恐ろしさは半分も伝わりません。役割分担を見てください。

中身役割
クロス式膝十字固め相手の片膝を極める関節技。執拗に同じ膝を狙う試合の土台作り。相手の足を殺す
スリーパー・ホールド背後から首を絞める基本の絞め技相手の消耗・時間の支配
ブリザード・スープレックス反撃・切り返しで使うスープレックス押されている局面をひっくり返す一手
地獄の断頭台ジャンピング・ギロチン・ニードロップ。跳び上がって膝を落とすダメージの上乗せ・大技
改良型プッシュアップバーによる殴打反則の凶器攻撃レフェリーの死角で流れを断ち切る
DOUBLE CROSS頭部を挟んで開脚シットダウン、顔面を叩きつけるフィニッシャー。ここで終わる

この並びを見ると、成田の試合の設計がはっきりします。膝を壊して逃げ場を消し、絞めて消耗させ、必要なら凶器で流れを切り、最後に顔面を落とす

技の派手さで押すタイプではなく、相手の可動域を1つずつ削っていくタイプです。アマチュアレスリング・剣道・野球という学生時代のスポーツ歴、そして柴田勝頼選手のもとでのLA道場修行。この土台があるから、ヒールに転じても地味な削り合いから逃げない。凶器を使う選手が、凶器を使わない部分でちゃんと強いのがいちばん厄介です。

📺 公式「技図鑑」地獄の断頭台/成田蓮(新日本プロレス公式YouTube)

📺 公式「技図鑑」クロス式膝十字固め/成田蓮(新日本プロレス公式YouTube)── 試合の土台を作る削りの技

膝十字固めのような関節技の全体像はプロレス関節技一覧、跳び上がって膝や肘を落とす系統はエルボードロップとは?やり方【図解】でそれぞれ整理しています。

🧭 成田蓮とは何者か|青森から、拷問の館の首領まで

項目内容
リングネーム成田 蓮(なりた れん)
生年月日1997年11月29日
出身青森県青森市
身長・体重182cm・100kg
スポーツ歴アマチュアレスリング・剣道・野球
トレーナー柴田勝頼・鈴木みのる
デビュー2017年7月4日(新宿FACE/LION’S GATE PROJECT 7・対 海野翔太/時間切れ引き分け)
異名SOULED OUT/極悪将軍/闇落ち新世代/SON OF STRONG STYLE
所属新日本プロレス(2026年7月時点)
ユニットHOUSE OF TORTURE
主なタイトルNEVER無差別級王座1回(第51代)/NJPW WORLD認定TV王座1回(第6代)/NEVER無差別級6人タッグ王座2回

経歴を追うと、この選手のキャリアはずっと「誰かの隣」だったことがわかります。

  • 2016年4月、新日本プロレスに入寮。約1年以上の練習生期間を経て2017年7月4日、新宿FACEで海野翔太を相手にデビュー(時間切れ引き分け)
  • 2017年のヤングライオン杯は4敗1分け。勝ち星なしで終わっている
  • 2019年9月22日、神戸ワールド記念ホールでのヤングライオン杯終了後、LA道場のコーチを務める柴田勝頼選手に直訴して海外武者修行を勝ち取る。海野翔太も同時期に武者修行へ
  • 2020年12月、アメリカでの「SUPER J-CUP 2020」でLA道場生のケビン・ナイトと組んで出場。2021年にはAEWのリングにも上がる
  • 2022年1月4日・東京ドーム、急性硬膜下血腫からの復帰戦を戦う師匠・柴田勝頼選手の対戦相手「X」として一時帰国。健闘するも最後はPKに沈む
  • 2022年10月10日・両国国技館凱旋帰国(6人タッグ)。DOUKIから成田スペシャル4号で3カウントを奪う
  • 新設のNJPW WORLD認定TV王座 初代王者決定トーナメントで石井智宏・矢野通・SANADAを下して決勝進出。2023年1月4日の東京ドームでザック・セイバーJr.に敗れ、初戴冠はならず
  • 鈴木みのる・エル・デスペラードと共闘し、2023年2月11日・大阪でNEVER無差別級6人タッグ王座を獲得。新ユニット「ストロングスタイル」を結成
  • 2023年12月6日・唐津、WORLD TAG LEAGUE公式戦で海野翔太を裏切りHOUSE OF TORTUREへ電撃加入
  • 2024年10月14日・両国国技館、ジェフ・コブ・辻陽太との3WAYマッチを制しNJPW WORLD認定TV王座を戴冠
  • 2025年1月30日・仙台サンプラザ、SHO・高橋裕二郎とNEVER無差別級6人タッグ王座を獲得
  • 2026年1月、首領EVILの退団発表を受け「HOUSE OF TORTUREはなくなるわけがない」と宣言。軍団の新たな首領となる

デビュー戦の相手が海野翔太選手、武者修行のタイミングも海野翔太選手、そして裏切った相手も海野翔太選手。ここまで一人の同期に人生を編み込まれた選手も珍しい。

ちなみに人物面はけっこう可愛くて、『キン肉マン』・仮面ライダー・ウルトラシリーズの大ファン。プロレスに興味を持ったきっかけも『キン肉マン』で、合宿所の部屋はスニーカーとフィギュアで埋まっていたと報じられています。中学時代に好きだったレスラーは全日本時代の三沢光晴と、虎ハンター時代の小林邦昭

虎ハンター・小林邦昭。初代タイガーマスクのマスクを剥ぎに行った、あのヒールです。少年時代の推しがそこだったという事実は、いまの成田蓮を考えるうえで無視できないと思います。闇落ちは、たぶん後付けじゃない

🏆 G1 CLIMAX 36での成田蓮(2026年7月26日時点)

2026年のG1 CLIMAX 36(8月16日閉幕・優勝は大岩陵平選手)に、成田はBブロックで出場しました。以下は7月26日までに確認できた範囲の星取です。

日付・会場相手結果
7月11日・シカゴ(現地)OSKAR● 敗戦(レフェリーストップ・9分42秒)
海野翔太不戦勝(海野が負傷により大会を欠場)
7月19日・北海きたえーるカラム・ニューマン勝利(変型羽折り固めでギブアップ)
7月26日・大田区HENARE● 敗戦(HENARE Bomb・11分01秒)

7月26日時点で2勝2敗・勝ち点4。Bブロック首位のドリラ・モロニー/ゲイブ・キッド/HENARE(各勝ち点6)を追う位置です。

内容が濃いのは7月19日のカラム・ニューマン戦。両者ともユニットのリーダー同士という一戦で、前代未聞の”偽ゴング合戦”が起きました。10分経過、ニューマンが成田をスリーパーで捕らえた瞬間に終了ゴングが鳴る——が、これは成田のセコンドディック東郷が鳴らした偽のゴング。勝ったと勘違いして技を解いたニューマンに対し、不利だったはずの成田が即座に変型チキンウイング・アームロックへ移行。すると今度はニューマン側のセコンド、ゼイン・ジェイがゴングを鳴らす。騙し合いのゴング合戦という、書いていて笑ってしまう展開でした。最後は変型羽折り固めでギブアップ勝ち。技名が「裏切り」の男が、ゴールそのものを騙して勝つ。芸が細かい。

そして7月26日のHENARE戦。成田はHENAREの膝を執拗に攻め、イス攻撃とディック東郷の介入を何度も重ねてラフに崩しにいきました。しかしHENAREのタフネスの前に決め手が通らず、頼みのDOUBLE CROSSをパワーボムで切り返されてそのままHENARE Bombに沈む。11分01秒。成田はノーコメントで控室へ消えました。

DOUBLE CROSSがパワーボムで返されたというのは、技の構造を知っていると味わい深い決着です。この技は「持ち上げない=速い」のが売りですが、その代わり相手の足が地面に残っている。だから、相手に力が残っているとそのまま持ち上げ返される余地がある。速さのために引き受けたリスクが、いちばん悪いタイミングで出た試合でした。

なお8月2日・福岡国際センターでは上村優也選手と対戦。上村選手は「セコンドが手を出してきても僕一人の力で」と宣言していました。大会は8月16日・両国国技館で閉幕し、優勝はその上村選手を決勝で下した大岩陵平選手でした。

Bブロック全体の勢力図と優勝予想はG1 CLIMAX 36 優勝予想と中盤の見どころ、出場20選手の技をまとめて引きたい人はG1 CLIMAX 36 出場20選手の得意技・フィニッシャー全まとめが早いです。開幕戦のフル結果はG1 CLIMAX 36 開幕戦 結果まとめにあります。

📺 0.5秒の技は、映像でしか捕まえられない

繰り返しますが、DOUBLE CROSSは掴む・跳ぶ・座るが1テンポで終わる技です。図解を読んだうえで映像を観ると「あ、いま開脚した」が見えるようになる。逆に、映像を観ないままだと一生「よくわからないけど終わった技」のままです。

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❓ DOUBLE CROSSに関するよくある質問

Q1. DOUBLE CROSSは誰の技ですか?

A. 成田蓮のフィニッシャーです。技の系譜としてはXパック(ショーン・ウォルトマン)のオリジナル技「Xファクター」にあたり、成田はこれを「DOUBLE CROSS」の名称で使用しています。

Q2. 技名の意味は?

A. double-cross=「裏切る」という英語です。成田が2023年12月6日・唐津市文化体育館のWORLD TAG LEAGUE公式戦で、パートナーだった海野翔太選手を裏切ってHOUSE OF TORTUREに電撃加入し、その初戦の海野戦でこの技が使われました。キャリアの分岐点が技名になっています。

Q3. DDTとは何が違うんですか?

A. 落ちる部位が違います。DDTは相手の頭部(頭頂部)を突き刺す技、DOUBLE CROSSが属するフェイスバスター顔面を中心に叩きつける技です。フェイスバスターの日本名は「顔面砕き」。

Q4. 成田の昔の決め技は何でしたか?

A. 「成田スペシャル4号」=フロントスープレックスホールドです。2022年10月10日・両国国技館の凱旋帰国試合(6人タッグ)では、この技でDOUKIから3カウントを奪っています。正面から抱えて後方へ反り投げる正統派の投げ技で、H.O.T.加入後のDOUBLE CROSSとは思想が正反対です。構造はフロントスープレックスとは?やり方【図解】で解説しています。

Q5. 「地獄の断頭台」はDOUBLE CROSSとは別の技ですか?

A. 別の技です。ジャンピング・ギロチン・ニードロップで、跳び上がって膝を落とす打撃系の大技です。DOUBLE CROSSがフィニッシャー、地獄の断頭台はダメージを上乗せする大技という役割分担になっています。

Q6. なぜフィニッシャーなのに簡単そうに見えるんでしょうか?

A. 相手を持ち上げないからです。担ぎ上げる準備動作がないぶん絵の重さは出ませんが、代わりに技の発生が異常に速く、混戦の一瞬に差し込める。反則を使う選手にとっては、重い技より「相手が油断した瞬間に終わらせられる技」のほうが強い。設計思想の違いです。

Q7. 素人が真似してもいいですか?

A. 絶対にやめてください。頭部を固定して顔面から落とす技です。歯・鼻・眼窩・頸椎という、人体で最も守りが薄い部位に体重が集中します。受け身の逃げ場が構造的に存在しない技なので、遊びでかけると一生残る後悔になります。本記事は観戦理解のための構造解説です。

Q8. 成田蓮のいまの所属とユニットは?

A. 新日本プロレス所属で、ユニットはHOUSE OF TORTURE(2026年7月時点)。2026年1月に首領EVILの退団が発表された後、成田が「HOUSE OF TORTUREはなくなるわけがない」と宣言し、軍団の新たな首領となりました。詳しくはHOUSE OF TORTUREとは?軍団列伝へ。

Q9. G1 CLIMAX 36の成田の星は?

A. 2026年7月26日時点で2勝2敗・勝ち点4(OSKAR・HENAREに敗戦、カラム・ニューマンから白星、海野翔太の欠場による不戦勝が1つ)でした。大会は8月16日に閉幕し、優勝は大岩陵平選手です。

✖️ 成田蓮の試合をもっと深く観るなら
フロントスープレックス──旧決め技「成田スペシャル4号」の構造。公式映像は成田本人
HOUSE OF TORTURE──成田が首領を継いだ「拷問の館」の全史
プロレスの反則ルール──なぜ東郷の介入が許されるのか、5カウントの仕組み
G1出場20選手の技まとめ──「今の技、何?」を1ページで解決

⚠️ 再掲・免責:本記事は観戦理解・技術構造の解説を目的としています。人の頭部を掴んで顔面をマットに叩きつける行為は極めて危険です。一般の方が他人に対して行うことは絶対に避けてください。

🐄 ウッシのひとこと:技名に「裏切り」と書ける度胸

僕がこの技をずっと気にしていた理由は、動きより名前でした。

営業を20年やってきて、自分に不利なラベルを自分で貼る人を、僕はほとんど見たことがありません。だいたい逆です。実績が微妙なときは肩書きを盛るし、失敗した案件は「学びがありました」に言い換える。僕自身、21歳で営業に上がって初めてのメーカー研修でボロクソに否定されたとき、報告会で言えたのは「毎日がんばりました」でした。中身がないから、言葉を膨らませるしかなかったんです。

成田蓮がやったのは、真逆でした。同期を裏切ったその日に、決め技の名前を「裏切り」にした。異名はSOULED OUT=魂を売り切った。言い換えも、盛りも、ゼロです。

これ、単に潔いという話ではなくて、戦略としてもすごく強いと思っています。

自分でラベルを貼ってしまった人間は、もうそのラベルで責められないんですよ。「お前は同期を裏切った男だ」と言われても、「知ってる。技の名前にしてるからな」で終わる。批判の言葉を先に自分の武器に組み込んでしまう。ヒールの立ち回りとして、これほど整った設計はそうありません。

そして技そのものも、同じ思想でできています。担がない。持ち上げない。飾らない。頭を掴んで、跳んで、座るだけ。派手さを最初から放棄している代わりに、いちばん速い。凱旋帰国のときに使っていた美しいフロントスープレックスを、彼はきれいさっぱり脇に置きました。

「うまくやる」より「先に終わらせる」を選んだわけです。

僕はこういう割り切りに弱いです。20代の頃、僕はパチンコとスロットで10年沼にいました。抜けるきっかけになったのは意志の力じゃなくて、帳簿をつけ始めたことでした。数字を書き出したら、勝てない勝負が見えるようになって、そもそも戦わなくなった。最後は50万貯めて勝ち逃げしましたが、トータルではもちろん負けです。格好はつかない。でも終わらせられた

DOUBLE CROSSを観ていると、あの感覚をちょっと思い出します。美しくはない。でも終わる。

もっとも、7月26日のHENARE戦ではその技をパワーボムで返され、成田は無言で控室に消えました。速さのために足を地面に残す設計が、いちばん悪い日に裏目に出た。裏切りの技を持つ男が、技に裏切られる。プロレスは、こういう物語をわざとらしくなく置いてくるから怖いです。

次の中継で成田が相手の頭を両手で掴んだら、持ち上げるかどうかを見てください。持ち上げなかったら、跳びます。マイペースにいきましょう🐄

営業部長のウッシでした。

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図解で構造が分かったら、次は名手の実演で。技の教科書と名勝負映像はこの棚からどうぞ。

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📚 出典・参考(15件)

※本記事の技術構造の記述は、上記の一般公開情報および筆者の観戦経験にもとづく解説です。掛け方の細部は選手・状況により異なります。G1 CLIMAX 36は2026年8月16日に閉幕しました(優勝は大岩陵平選手)。最新情報は新日本プロレス公式でご確認ください。


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