ストームブレイカーとは?やり方【図解】|オスプレイの必殺技
※本記事はプロモーションを含みます
「オスプレイの最後の技、担いで一回転させてるけど、あれ結局なんて技?」 「オスカッターが必殺技じゃなかったの? いつ変わったの?」
こんにちは、営業部長のウッシです。
2026年8月30日(日本時間31日)、イギリス・ロンドンのウェンブリースタジアム。AEWの年間最大興行「ALL IN」のメインイベントで、ウィル・オスプレイ選手がケニー・オメガ選手を破り、AEW世界王座を初戴冠しました(東スポWEB)。2024年2月のAEW入団から2年半、母国の聖地で、ついに世界の頂点です。
そして、この人が世界一になるまでの道のりを一本の線でつないでいる技があります。ストームブレイカーです。
空中殺法の申し子として名を上げた選手が、いちばん大事な場面で選んだのは「飛ぶ技」ではなく「担いで落とす技」だった。ここが面白い。この記事では、その構造を骨格から分解します。
① 正体は「変形のネックブリーカー」──日本語版Wikipedia(「ウィル・オスプレイ」「羽交い締め」)は、リバース・フルネルソンの体勢から、カナディアン・バックブリーカーの体勢で持ち上げ、片手のクラッチを解き、相手の身体を横に1回転させて放つ変形のネックブリーカーと説明しています。バックブリーカー系ではなく、最終的に入力が入るのは「首」です。
② 使い手はウィル・オスプレイ選手のみと言っていい──オリジナル技で、2018年5月以降、彼の最上位フィニッシャーとして使われています。
③ 代名詞は途中で入れ替わった──新日本参戦の初期はオスカッターが主なフィニッシャーでした。ジュニアからヘビー級へ体を変えていく時期に、決め技も空中から担ぎへ移っています。
④ この技でベルトが動いた──2021年4月4日、両国国技館で飯伏幸太選手を30分13秒で沈め、第2代IWGP世界ヘビー級王者に。翌月5月4日の初防衛戦も同じ技で決めています。
⑤ 技名の由来は「不明」が正解──マーベル作品でソーが手にする武器の名にちなむという見方がありますが、本人・団体が由来を明言した一次情報は、2026年9月時点で確認できていません。本記事では断定しません。
⚠️ 【重要・免責】本記事はプロレス観戦をより深く楽しむための「技術構造の解説」です。ストームブレイカーは、相手の両腕を封じたまま肩の高さまで担ぎ上げ、空中で回転させて首から落とす極めて危険な投げ技です。専門的な訓練を積んだプロレスラーが、受け身を取れる相手とだけ成立させている技であり、一般の方が他人に掛ければ頸椎に重大な損傷を与えます。絶対に真似しないでください。
📌 この記事でわかること
- ストームブレイカーの正体(なぜ「バックブリーカー」ではなく「ネックブリーカー」なのか)
- やり方を5ステップで図解──専門用語3つを全部日本語に開く
- どこに効くのか、そして投げる側が負っているリスク
- オスカッターとの違いと、2018年に代名詞が入れ替わった経緯
- 兄弟技ストームドライバー’93との違い(入口が同じで出口が違う)
- この技で動いたベルトと、2026年8月30日ウェンブリーの世界王座初戴冠
- 返し方・受け身がなぜ難しいのか
- よくある質問11問(技名の由来問題も正直に)
⚡ 技の正体|「担ぐ技」に見えて、落ちるのは首
まず、この技の説明文にはプロレス用語が3つ入っています。ここを日本語に開くだけで、8割わかります。
日本語版Wikipedia「ウィル・オスプレイ」および「羽交い締め」は、ストームブレイカーをこう説明しています。
リバース・フルネルソンの体勢から、カナディアン・バックブリーカーの体勢で持ち上げて、片手のクラッチを解き、相手の身体を横1回転させて放つ変形ネックブリーカー。
用語を1つずつ開きます。
| 用語 | 中身(Wikipediaの定義) | ざっくり言うと |
|---|---|---|
| リバース・フルネルソン | 相手と向かい合った状態で、前屈みになった相手の両腕を両腋の下から通し、相手の背中の上で両手をクラッチして絞め上げる羽交い締め | 正面から抱きついて、相手の両腕を封じる。この時点で相手は手が使えない |
| カナディアン・バックブリーカー | がぶりの体勢から相手の胴をクラッチし、相手の背中が肩にくるようにして担ぎ上げる | 相手を肩に乗せる。丸太をかつぐ形(開発者ユーコン・エリックさんは元・樵だったと伝えられる) |
| ネックブリーカー | 首に衝撃を集中させる技の総称 | 最後に壊れるのは背中ではなく首 |
ここが誤解されやすいところです。担いでいる最中の形はバックブリーカーなのに、技の分類はネックブリーカー。理由は落とし方にあります。
背骨を反らせて止めるのが本来のカナディアン・バックブリーカーですが、オスプレイ選手は止めません。担いだ瞬間に片手のクラッチだけを解き、残した腕を軸にして相手を横方向に回して落とす。この「横1回転」があるために、分類上もバックブリーカーではなく変形ネックブリーカーとされています。担ぐ形は背中を攻める技のままでも、落ちる瞬間の入力は首・肩口に集まると考えられます。
中継で観るときは、担ぎ上げた直後の「片手を離す瞬間」を見てください。両手で抱えたままなら、まだバックブリーカーの範囲。片手が離れたら、そこから先はもう回転が始まっています。この0.3秒が技の正体です。
🐄(ウッシ小声:僕は長いこと「担いで落とす豪快技」だと思って観ていました。分類がネックブリーカーだと知ってから、あの回転が急に怖くなりました)
🔧 ストームブレイカーのやり方|5ステップで分解
Step 1:正面から組みつき、相手の両腕を封じる
入り口は正面です。背後から仕掛ける技だと思われがちですが、リバース・フルネルソンは「相手と向かい合った状態で、前屈みになった相手の両腕を両腋の下から通し、背中の上でクラッチする」形(Wikipedia「羽交い締め」)。
この瞬間に、相手は両腕を使えなくなります。ここが最初の勝負どころです。プロレスの受け身は基本的に「腕で叩く」「腕で庇う」を前提にしているので、腕を先に消しておくというのは、技術的には非常に厳しい入り方です。
なお、リバース・フルネルソンという体勢は相撲では「五輪砕き」「鴫の羽返し」と呼ばれ、頸椎を損傷する危険があるため、かつては掛けた時点で勝ちとされていたほどの形です(Wikipedia「羽交い締め」)。入り口からしてすでに危ない。
Step 2:相手の背中が肩に乗るまで担ぎ上げる
クラッチしたまま、相手を持ち上げます。到達点はカナディアン・バックブリーカーの体勢──「相手の背中が肩にくるようにして担ぎ上げる」形です。
ここでいちばん効いているのが、オスプレイ選手がジュニアからヘビー級へ体を作り替えてきたという背景です。2020年のG1 CLIMAX 30の時点で、本人が19キロ増量してヘビー級へ転向したと報じられています(スポーツ報知)。空中技だけの体では、人ひとりを肩の高さで支え続けることはできません。
Step 3:片手のクラッチだけを解く
技の名前が変わる瞬間です。
両手でクラッチしたまま揺さぶれば、それはカナディアン・バックブリーカー。落とせばバックブリーカー系の技です。オスプレイ選手はそうしません。片手だけ離す。
これで支点が両側から片側になり、相手の身体は残された腕を軸にして回転できる状態になります。ここまで来ると、担がれている側にできることはほぼありません。
Step 4:残した腕を軸に、身体を横へ1回転させる
離した側へ、相手の身体を横に1回転させます。これが「ストームブレイカー」の見た目上の正体です。
回転させる意味は2つあります。ひとつは落下点の移動。まっすぐ落とせば背中で受けられますが、回すことで首・肩口に入力が集まります。もうひとつは時間差。担がれてから落ちるまでに一拍あるので、相手は「どちらに落ちるか」を最後まで決められません。
Step 5:首から叩きつけ、そのままフォールへ
回転の終点で、相手はマットへ落ちます。分類が変形のネックブリーカーなのは、この着地で首に衝撃が集中するからです。落としたあとはそのままフォールに移行するのが基本の流れです。
⚠️ 繰り返します。腕を封じて担ぎ、空中で回して首から落とす技です。構造を理解するための解説であり、掛け方の手順書ではありません。
📺 動画で観る(新日本プロレス公式)
文字で5回読むより、10秒観たほうが早い技です。新日本プロレス公式チャンネルの「技図鑑」シリーズに、この技の回があります。
📺 【新日本プロレス 技図鑑】ストームブレイカー / ウィル・オスプレイ(新日本プロレス公式YouTube)
相手を変えて何度も観たい人には、G1 CLIMAX 30のときの公式まとめ動画があります。体格の違う相手に対しても、担ぎ上げから回転までの形がまったく変わらないのがよく分かります。
📺 【30回目のG1CLIMAX】ウィル・オスプレイ ストームブレイカー30連発!【Aブロック】(新日本プロレス公式YouTube)
💥 どこが効くのか|受ける側と、投げる側
技の危険は、受ける側だけの話ではありません。この技は両側にリスクがあるタイプです。
受ける側に起きていること
| 段階 | 相手に起きること |
|---|---|
| ① 腕を封じられる | 受け身の第一手段(腕)を先に消される。ロープを掴む選択肢も同時に消える |
| ② 担ぎ上げられる | 足が床から離れ、体重を自分で制御できなくなる。逃げるなら②までが最後のチャンス |
| ③ 片手が離れる | 支点が片側になり、身体が回り始める |
| ④ 横1回転 | 落下点が背中から首・肩口へ移動する |
| ⑤ 着地 | 首に入力が集中。ネックブリーカーに分類される理由 |
投げる側が背負っているもの
ここは正直に書いておきたい部分です。
オスプレイ選手は2023年5月、右肩の状態について公の場で語っています。同年3月のNEW JAPAN CUPで右肩を負傷しており、Wrestling Inc.が報じた発言によれば、理学療法士から「完全には治っていない」と言われた上で、本人はこう述べています。
「誰かを頭上に持ち上げていたら、またこれが吹き飛ぶ可能性がある」 「ストームブレイカーをもうやるべきなのか、自問させられている。だってあれは俺が持っている最大の技なんだ」(Wrestling Inc.・2023年5月21日/要旨)
同じ記事では、必要ならこの技を封印し、代わりにヒドゥンブレードの精度を上げて勝ち切る方向へ寄せる意向にも触れています。
自分の最大の武器が、自分の体をいちばん削っている。ハイフライヤーが担ぎ技をフィニッシャーに据えるということは、そういうコストとセットなんです。
🐄(ウッシ小声:ここを知ってからストームブレイカーを観ると、担ぎ上げた瞬間に「肩、大丈夫か」って思うようになりました。余計なお世話なんですけど)
🌀 オスカッターとの違い|2018年に代名詞が入れ替わった
「オスプレイの技といえばオスカッターでは?」という感覚は、まったく間違っていません。時期の問題です。
日本語版Wikipediaの記述はこうです。オスカッターについて「新日本に参戦し始めてからしばらくの間は、この技を主なフィニッシャーとしていた」。ストームブレイカーについて「2018年5月以降はオスプレイの最上位のフィニッシャーとして使用」。
つまり2018年の春から夏にかけて、看板が架け替わっていることになります。
| 比較項目 | オスカッター | ストームブレイカー |
|---|---|---|
| 分類 | ダイヤモンド・カッター系(空中技) | 変形ネックブリーカー(担ぎ技) |
| 入り方 | 助走してセカンドロープに飛び乗り、背面の相手の首を捕らえる | 正面から組みついて両腕を封じる |
| 決まる条件 | 相手が立っていて、迎撃されないこと | 相手を担ぎ上げられること |
| 失敗パターン | カッターが決まらず相手に捕まる/空中でトラースキックやドロップキックで迎撃される | 担ぎ切れずに切り返される |
| 主に使っていた時期 | 新日本参戦初期〜(現在もフィニッシャーとして併用) | 2018年5月以降が最上位 |
Wikipediaの記述で興味深いのは、オスカッターが決まらないケースについて「相手のダメージが不十分な場合、カッターを決められずに相手から捕まる」「空中でトラース・キックやドロップキックによる迎撃を受ける」と具体的に挙げられている点です。
飛ぶ技は、相手が立っていて、しかも読まれていないという2つの条件を必要とします。ヘビー級の相手が増えれば、その条件は満たされにくくなる。だから2つ目の答えが要る。ストームブレイカーは「相手が読んでいても、担げれば終わる」技です。
📺 【新日本プロレス 技図鑑】オスカッター / ウィル・オスプレイ(新日本プロレス公式YouTube)── ストームブレイカーと見比べると、入り方の違いが一目でわかる
そして面白いのが、この2つは対立していないということです。Wikipediaによれば、コーナートップから放つ上位版「スーパー オス・カッター」には、首を掴んだままストームブレイカーに繋げる形がある。空中技を「決め技」から「入り口」に格下げして、そのまま担ぎに移行する。技を捨てずに、役割を変えたわけです。
カッター系そのものの構造はダイヤモンドカッターとは?やり方【図解】、小島カッターとは?やり方【図解】にまとめてあります。空中技全般の分類はプロレス空中殺法まとめへ。
🐄(ウッシ小声:得意技を捨てずに「前フリ」に降格させる発想、僕はけっこう衝撃でした。捨てるより難しいと思うんですよ、これ)
🧬 兄弟技|ストームドライバー’93との違いは「出口」だけ
もう一つ、混同されやすい技があります。ストームドライバー’93です。
Wikipediaの説明を並べると、違いが一発でわかります。
| 技名 | 入口 | 担ぎ方 | 落とし方 | 分類 |
|---|---|---|---|---|
| ストームブレイカー | リバース・フルネルソン | 相手の背中が肩に乗る形 | 片手を離して横へ1回転 | 変形ネックブリーカー |
| ストームドライバー’93 | リバース・フルネルソン(同じ) | マットと垂直になるまで | ジャンプして両膝着地で後頭部から突き刺す | 変形タイガードライバー |
入口がまったく同じで、担ぎ上げた先の処理だけが違う。だから試合中、相手を捕らえた瞬間にはどちらが来るか分からないんです。これは観る側にとってかなり贅沢な緊張感です。
📺 【新日本プロレス 技図鑑】ストームドライバー’93 / ウィル・オスプレイ(新日本プロレス公式YouTube)
ちなみに、リバース・フルネルソンという体勢は技の入り口として非常に汎用性が高いものです。分岐を図にするとこうなります。
投げ技の基礎から追いたい人はブレーンバスターとは?やり方【図解】、タイガードライバーとは?やり方【図解】、パイルドライバーとは?やり方【図解】が近道です。
🏆 ストームブレイカーとオスプレイ選手のタイトル年表|決め技つき
飾りの技ではありません。実際にタイトルを動かしてきた技です。時系列で整理します。
| 日付 | 大会・会場 | 相手 | 決着 |
|---|---|---|---|
| 2021年3月 | NEW JAPAN CUP 優勝決定戦 | 鷹木信悟選手 | NEW JAPAN CUP初優勝。ストームブレイカーで決着し、IWGP世界ヘビー級王座への挑戦権を獲得 |
| 2021年4月4日 | SAKURA GENESIS/両国国技館 | 飯伏幸太選手 | 30分13秒、ストームブレイカー→片エビ固め。第2代IWGP世界ヘビー級王者に(バトル・ニュース/プロレスTODAY) |
| 2021年5月4日 | 福岡国際センター | 鷹木信悟選手 | ストームブレイカーで初防衛(V1)。NJCの再戦を制す(東スポWEB) |
| 2024年5月26日 | AEW | ロデリック・ストロング選手 | AEWインターナショナル王座を戴冠(試合結果=東スポWEB/第7代の代数=Wikipedia) |
| 2026年6月28日 | AEW × NJPW: Forbidden Door/サンノゼ SAPセンター | スワーブ・ストリックランド選手 | ストームドライバー’93で決着。オーエン・ハート杯を制覇(プロレスTODAY)し、8月のAEW世界王座挑戦権を獲得(英語版Wikipedia「All In (2026)」) |
| 2026年8月30日(日本時間31日) | AEW ALL IN/ロンドン ウェンブリースタジアム | ケニー・オメガ選手 | AEW世界王座初戴冠(第20代)。決着はヒドゥンブレードと報じられている(東スポWEB) |
2021年4月4日、両国国技館──英国人初のIWGP最高峰
いちばん大きな1回はここです。
SAKURA GENESIS 2021のメインイベント、IWGP世界ヘビー級選手権。王者・飯伏幸太選手の初防衛戦の相手が、UNITED EMPIREを率いるオスプレイ選手でした。30分13秒、ストームブレイカーから片エビ固め。オスプレイ選手が第2代IWGP世界ヘビー級王者となり、英国人として史上初めて新日本の最高峰に到達しています(バトル・ニュース/プロレスTODAY)。
試合後、オスプレイ選手はこう宣言しました。
そしてその宣言どおり、翌月5月4日・福岡国際センターの初防衛戦でも、40分を超える死闘の末にストームブレイカーで鷹木信悟選手を沈めています(東スポWEB)。ベルトを獲った技で、ベルトを守った。フィニッシャーとして完全に信用された瞬間でした。
オカダ・カズチカ選手との関係については【闘魂列伝⑦】オカダ・カズチカ、ケニー・オメガ選手についてはケニー・オメガとは?オカダ戦6つ星と現在のAEWにまとめてあります。オスプレイ選手自身の全体像は【黒船列伝⑫】ウィル・オスプレイへ。
2026年8月30日、ウェンブリー──ただし決着はストームブレイカーではない
ここは正確に書きます。
2026年8月30日(日本時間31日)、ロンドン・ウェンブリースタジアムのAEW「ALL IN」。メインのAEW世界王座戦で、オスプレイ選手が王者ケニー・オメガ選手を破り、第20代AEW世界王者となりました。東スポWEBは、オスプレイ選手が片翼の天使を浴びながらも3カウントを許さず、最後はヒドゥンブレードで振り切ったと報じています。
つまり母国での世界王座初戴冠を決めたのは、ストームブレイカーではなくヒドゥンブレードでした。この記事の主役の技ではありません。ですが、2023年に本人が「肩の状態次第ではストームブレイカーを封印し、ヒドゥンブレードで勝ち切る方向に寄せる」という趣旨を語っていたことを思い出すと、この決着の並びは無視できません。
なお同じ夜、オカダ・カズチカ選手がカイル・フレッチャー選手・竹下幸之介選手との3WAY戦を制し、AEWインターナショナル王座に返り咲いています(東スポWEB)。日本のリングで育った選手たちが、ロンドンのウェンブリースタジアムで2本のベルトを分け合った夜でした。入場者数は41,102人と記録されています(ブレント区のターンスタイル計数)。
AEWと新日本の関係、越境興行の全体像はForbidden Door 2026の見どころに整理しています。オスプレイ選手が率いていた軍団についてはユナイテッド・エンパイア|軍団列伝へ。
🐄(ウッシ小声:ウェンブリーで母国の英雄が世界王者になる、って字面が完全に少年漫画の最終回なんですよね。しかも相手がオメガ選手ときた)
🛡 返し方・受け身の難しさ
「返せるのか」という質問はよくいただくので、公開情報から言えることだけ書きます。
結論から言うと、返すなら「担がれる前」しかありません。
| 段階 | 相手側にできること |
|---|---|
| ① リバース・フルネルソンに入られる前 | ここが最大のチャンス。前屈みにならない、組ませない、距離を切る |
| ② クラッチされた直後 | 腕はもう使えない。体重を落として担がせない、下半身で踏ん張る |
| ③ 担ぎ上げられた後 | 足が床から離れている。物理的に主導権がない |
| ④ 片手が離れた後 | 回転が始まっている。ここから自力で軌道を変える手段はほぼない |
受け身が難しい理由も、構造から説明がつきます。
- 腕が先に消えている:プロレスの受け身は「腕でマットを叩いて衝撃を分散する」のが基本です。その腕を①の段階で封じられている
- 落下点が最後まで決まらない:③まではバックブリーカー系の軌道、④で急にネックブリーカーの軌道に変わる。備える場所が途中で変わる技は、受ける側にとって最悪の部類です
- 首から入る:背中で受ければ面で分散できますが、首は分散させる面積がない
だからこそ、この技は「受け身を取れる相手」とのあいだでしか成立しないんです。プロレスラーが体を張って成り立たせている技術であって、真似できるものではありません。
技全般の危険度や、体を守るという観点はプロレス技で一番痛い技は?、プロレス技 一覧【完全図解】8ジャンル保存版でも扱っています。
⚠️ 再掲・免責:本記事は観戦理解・技術構造の解説です。人を担ぎ上げて回転させ、首から落とす行為は、一般の方が行えば重大な傷害事故になります。絶対に真似しないでください。
📡 この技を映像で追いかけるなら
ストームブレイカーは、ハイライトの切り抜きだと半分しか伝わらない技だと思っています。担ぎ上げるまでに相手をどう削ったか、腕をどこで潰しておいたか──その積み上げがあるから「担げる」ので、決着シーンだけ観ると「急に持ち上がった」ように見えてしまう。
新日本時代のアーカイブを一気にさかのぼるなら公式配信のNJPW WORLDが最短です。登録と解約の手順はNJPW WORLDの登録・解約方法に、他サービスとの違いはプロレス配信サービス比較とプロレスはどこで観る?にまとめました。AEWの試合を日本から観る方法についてはForbidden Door 2026の記事で触れています(配信条件は変動するので、最新は各公式でご確認ください)。
❓ ストームブレイカーに関するよくある質問
Q1. ストームブレイカーはどんな技ですか?
A. リバース・フルネルソンの体勢から、カナディアン・バックブリーカーの体勢で相手を持ち上げ、片手のクラッチを解いて相手の身体を横に1回転させて放つ変形のネックブリーカーです(日本語版Wikipedia「ウィル・オスプレイ」「羽交い締め」)。担いでいる途中の形はバックブリーカーですが、落とし方の都合で首に衝撃が集中するため、分類はネックブリーカーです。
Q2. 誰の技ですか?
A. ウィル・オスプレイ選手のオリジナル技です。1993年5月7日生まれ、イングランド・エセックス州ヘイヴァリング出身、185cm/105kg。2012年4月1日デビュー。他の選手が同じ形で使う例は確認できません。
Q3. いつから使っている技ですか?
A. 日本語版Wikipediaは「2018年5月以降はオスプレイの最上位のフィニッシャーとして使用」と記載しています。それ以前はオスカッターが主なフィニッシャーでした。初公開の試合を特定できる一次情報は、2026年9月時点で確認できていません。
Q4. 技名の由来は? マーベルのソーの武器ですか?
A. そう言われることはありますが、断定できません。マーベル作品でソーが手にする大斧の名前が「ストームブレイカー」で、それが登場する映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の日本公開は2018年4月27日。オスプレイ選手がこの技を最上位フィニッシャーに据えたのが2018年5月以降と、時期は重なっています。ただし本人や団体が由来を明言した一次情報は確認できていませんので、本記事では「そういう見方がある」以上のことは書きません。
Q5. オスカッターとは何が違うんですか?
A. 空中技か、担ぎ技かです。オスカッターは助走してセカンドロープに飛び乗り、背面の相手の首を捕らえてダイヤモンド・カッターを決める空中技。ストームブレイカーは正面から組みついて両腕を封じ、担ぎ上げて回して落とす技です。なお、コーナートップから放つスーパー オス・カッターから首を掴んだままストームブレイカーに繋げる形もあり、両者は対立ではなく連結しています。
Q6. ストームドライバー’93との違いは?
A. 入口は同じで、出口が違います。どちらもリバース・フルネルソンから始まりますが、ストームブレイカーは肩に担いで片手を離し、横へ1回転させて落とすのに対し、ストームドライバー’93は相手をマットと垂直になるまで担ぎ上げ、ジャンプして両膝着地で後頭部から突き刺す変形タイガードライバーです。2026年6月28日のオーエン・ハート杯決勝を決めたのは、後者でした(プロレスTODAY)。
Q7. この技でどんなタイトルを獲りましたか?
A. 最大の1回は2021年4月4日・両国国技館のSAKURA GENESISです。王者・飯伏幸太選手を30分13秒、ストームブレイカー→片エビ固めで破り、第2代IWGP世界ヘビー級王者に。英国人として初の新日本最高峰戴冠でした。翌5月4日・福岡国際センターの初防衛戦(対 鷹木信悟選手)も同じ技で決めています。
Q8. 2026年8月のAEW世界王座は、ストームブレイカーで決まったんですか?
A. いいえ。東スポWEBは、2026年8月30日(日本時間31日)ロンドン・ウェンブリースタジアムのAEW「ALL IN」で、オスプレイ選手がヒドゥンブレードでケニー・オメガ選手を破り、第20代AEW世界王者になったと報じています。ストームブレイカーでの決着ではありません。
Q9. なぜオスプレイ選手は「この技を使い続けるべきか迷う」と言ったのですか?
A. 右肩の負傷が理由です。2023年3月のNEW JAPAN CUPで右肩を痛めており、同年5月にWrestling Inc.が報じた発言によれば、理学療法士から完全には治っていないと言われた上で「誰かを頭上に持ち上げていたら、またこれが吹き飛ぶ可能性がある」「ストームブレイカーをもうやるべきなのか、自問させられている」と語っています。人ひとりを担いで回す動作は、投げる側の肩に極端な負荷がかかる技です。
Q10. どうやったら返せますか?
A. 公開情報から言えるのは、返すなら担がれる前ということだけです。リバース・フルネルソンでクラッチされた時点で両腕が使えなくなり、担ぎ上げられた時点で足が床から離れます。片手のクラッチが解かれたあとは回転が始まっているため、自力で軌道を変える手段はほぼありません。
Q11. 素人が真似してもいいですか?
A. 絶対にやめてください。受け身の第一手段である腕を封じたうえで、人ひとりを肩の高さまで担ぎ、空中で回転させて首から落とす技です。入り口のリバース・フルネルソンだけでも、相撲では頸椎損傷の危険から「掛けた時点で勝ち」とされていた形です(Wikipedia「羽交い締め」)。本記事は観戦理解のための構造解説であり、掛け方の手順書ではありません。
▶ ダイヤモンドカッター──オスカッターの母体。空中の代名詞のほう
▶ タイガードライバー──ストームドライバー’93が変形元にしている技
▶ シューティングスタープレス──オスプレイ選手が得意にしている空中技の代表格
▶ ツアー・オブ・ジ・アイランド──2019年MSGでオスプレイ選手を沈めた、ジェフ・コブ選手の担ぎ技
▶ プロレス技図鑑(検索できる技辞典)──技名から一発で引く
🐄 ウッシのひとこと:一点突破の人が、二本目を作った日
ここからは営業部長の私見です。
僕がストームブレイカーという技にどうしても惹かれてしまうのは、「この人、飛ばなくても勝てるようにしたんだな」という一点です。
オスプレイ選手は、空中技で世界に見つかった選手です。派手さと精度で名前を売った。ところがヘビー級に上がると、飛ぶ技には条件がついてくる。相手が立っていること、読まれていないこと。Wikipediaにさえ「相手のダメージが不十分だとカッターが決まらず捕まる」「空中で迎撃される」と書かれてしまうくらい、条件付きの武器です。
そこで彼が用意した二本目が、正面から組みついて相手の腕を殺し、担いで、回して落とすという、まるで正反対の技だった。19キロ増量までして。
これ、営業の現場でずっと見てきた景色とまったく同じなんです。
僕は営業を20年やってきました。そのうち13年は畜産業界の代理店で、飼料や畜産資材をメーカーから仕入れて農家さんに卸す仕事です。ハンドルネームの「ウッシ」も牛が由来です。
20代の頃の僕には、必殺技が1つしかありませんでした。足で稼ぐことです。誰よりも回る、誰よりも顔を出す。それで数字が出ていたので、それが自分の武器だと思っていました。
21歳で営業に抜擢されて、最初のメーカー研修でボロクソに否定されました。「お前ら代理店は営業失格だ」と。報告会で僕が言えたのは「毎日がんばりました」だけ。あのとき突きつけられたのは、足で稼ぐという技は、条件が揃っているときにしか効かないという事実でした。相手が会ってくれる状況、時間に余裕がある状況。条件が崩れた瞬間、僕には何も残らなかった。
そこから覚えたのが、数字とデータで話す二本目です。地味だし、準備に時間がかかるし、正直いまでも空中技のような気持ちよさはありません。でも相手がこちらの狙いを読んでいても効く。ストームブレイカーが「読まれていても、担げれば終わる」技なのと、たぶん同じ理屈です。
もうひとつ、この技には身につまされる話がくっついています。2023年、本人が「肩がまた吹き飛ぶかもしれない。ストームブレイカーをもうやるべきか自問している」と語っていることです。
最大の武器が、自分の体をいちばん削る。これ、30代後半のサラリーマンにはかなり刺さる話じゃないでしょうか。若い頃に通用したやり方ほど、体力と時間を燃やして成立していたりする。いつまでも同じ技で勝ち続けようとすると、勝つ前に自分が壊れる。
その本人が、2026年8月30日、母国ウェンブリーで世界王者になった夜の決着に選んだのは、担ぎ技ではなくヒドゥンブレードでした。肘を1発、後頭部へ。技のカタログが分厚い選手が、いちばん体の負担が軽い技で、いちばん大きな試合を終わらせた。
技を増やすというのは、勝ち方を増やすことじゃなくて、続け方を増やすことなんだと思います。
そういえば僕がプロレスにハマったのは、深夜0時からのワールドプロレスリングを眠い目をこすって観ていた小学生の頃で、目当ては金本浩二選手とライガーさんとエル・サムライさんでした。翌日学校で「昨日のライガーがさ」と話すために起きていた。あの頃の僕に「30年後、イギリス人が新日本のベルトを巻いて、ウェンブリースタジアムでアメリカの団体の世界王者になるよ」と言っても、絶対に信じなかったと思います。
プロレスは、こういう予想の外し方をしてくれるから面白い。次の中継でオスプレイ選手が相手を正面から抱え込んだら、片手が離れるかどうかを見てください。離れたら、そこで終わりです。
マイペースにいきましょう🐄
営業部長のウッシでした。
⚠️ 【重要・免責】もう一度だけ書いておきます。ストームブレイカーは、受け身の技術を持つプロレスラーが、専用のリングと相手との信頼のうえで成立させている技です。一般の方が真似をすると、かける側も受ける側も、首や頸椎に重大な損傷を負うおそれがあります。絶対に真似しないでください。
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📚 参考・出典(14件)
- 【新日本プロレス 技図鑑】ストームブレイカー / ウィル・オスプレイ(新日本プロレス公式YouTube)(技の実演映像・チャンネル名「新日本プロレスリング株式会社」をoEmbedで確認・2026年9月2日確認)
- 【新日本プロレス 技図鑑】オスカッター / ウィル・オスプレイ(新日本プロレス公式YouTube)(オスカッターの実演映像・2026年9月2日確認)
- 【新日本プロレス 技図鑑】ストームドライバー’93 / ウィル・オスプレイ(新日本プロレス公式YouTube)(ストームドライバー’93の実演映像・2026年9月2日確認)
- 【30回目のG1CLIMAX】ウィル・オスプレイ ストームブレイカー30連発!【Aブロック】(新日本プロレス公式YouTube)(相手を変えた多数の実例・2026年9月2日確認)
- ウィル・オスプレイ|新日本プロレスリング(公式プロフィール)(選手プロフィール・2026年9月2日確認)
- ウィル・オスプレイ - Wikipedia(ストームブレイカーの構造=リバース・フルネルソンからカナディアン・バックブリーカーの体勢で持ち上げ、片手のクラッチを解き横1回転させる変形ネックブリーカー/2018年5月以降が最上位フィニッシャー/オスカッターは新日本参戦初期の主なフィニッシャーで迎撃されるケースあり/スーパー オス・カッターからストームブレイカーへ連結/ストームドライバー’93=リバース・フルネルソンから垂直に担ぎジャンプして両膝着地で後頭部から突き刺す変形タイガードライバー/ヒドゥンブレード=座っている相手の後頭部への真横のバックエルボー、近年フィニッシャー化/生年月日1993年5月7日・エセックス州ヘイヴァリング出身・185cm/105kg・2012年4月1日デビュー・異名/タイトル歴=AEW世界王座(第20代)・AEWインターナショナル王座(第7・9代)・IWGP世界ヘビー級王座(第2代)・NEW JAPAN CUP優勝(2021年)・オーエン・ハート杯優勝(2026年)/2024年2月11日の新日本ラストマッチ・2026年4月4日の日本復帰戦・2026年9月2日確認)
- 羽交い締め - Wikipedia(リバース・フルネルソンの定義=相手と向かい合った状態で前屈みになった相手の両腕を両腋の下から通し背中の上でクラッチする羽交い締め/相撲では「五輪砕き」「鴫の羽返し」と呼ばれ頸椎損傷の危険からかつては掛けた時点で勝ちとされた/ダブルアーム・スープレックスなど移行技が多数/ストーム・ブレイカーの構造記述・2026年9月2日確認)
- バックブリーカー - Wikipedia(カナディアン・バックブリーカーの定義=がぶりの体勢から相手の胴をクラッチし、相手の背中が肩にくるようにして担ぎ上げる/開発者はカナダ出身のユーコン・エリックさんで、元は樵として丸太をかつぐ体勢を応用したと伝えられる・2026年9月2日確認)
- オスプレイが飯伏からIWGP世界ヘビー級王座を奪取しオカダ選手を挑戦者に指名も鷹木が割り込み!(バトル・ニュース)(2021年4月4日 SAKURA GENESIS 両国国技館/飯伏幸太 vs ウィル・オスプレイ=30分13秒 ストームブレイカー→片エビ固め/第2代IWGP世界ヘビー級王者/試合後コメント「このベルトが世界ナンバーワンの証だ」・2026年9月2日確認)
- 【新日本】飯伏、初防衛ならず!オスプレイが第2代IWGP世界ヘビー戴冠(プロレスTODAY)(同試合の結果・第2代王者・2026年9月2日確認)
- 【新日本】IWGP世界王者オスプレイが鷹木との壮絶死闘制しV1(東スポWEB)(2021年5月4日・福岡国際センター/ストームブレイカーでの初防衛/3月のNEW JAPAN CUP優勝決定戦の再戦・2026年9月2日確認)
- 【AEW】ウィル・オスプレイが新天地でも躍動 ロデリック撃破でインターナショナル王座を奪取(東スポWEB)(2024年5月26日・AEWインターナショナル王座戴冠・2026年9月2日確認)
- 【新日本×AEW】血塗られた元盟友対決!オスプレイがストリックランドとの死闘を制し「オーエン・ハート杯」覇者に(プロレスTODAY)(2026年6月28日・AEW × NJPW: Forbidden Door/サンノゼSAPセンター/決着はストームドライバー’93・2026年9月2日確認)
- 【AEW】ウィル・オスプレイついにAEW世界王座初戴冠 英ウェンブリー決戦でケニー・オメガ撃破(東スポWEB)(2026年8月30日〈日本時間31日〉・ロンドン ウェンブリースタジアム AEW「ALL IN」/第20代AEW世界王者/決着はヒドゥンブレード/2024年2月のAEW入団から2年半・2026年9月2日確認)
※このほか、オカダ・カズチカ選手のAEWインターナショナル王座返り咲き(同じ8月30日・カイル・フレッチャー選手、竹下幸之介選手との3WAY戦)は東スポWEB、オスプレイ選手の右肩とストームブレイカーに関する2023年5月21日の発言はWrestling Inc.、19キロ増量してのヘビー級転向はスポーツ報知、2026年4月4日の日本復帰戦は東スポWEBを参照しました(いずれも2026年9月2日確認)。
※本記事は2026年9月2日時点の公表情報にもとづきます。技名「ストームブレイカー」の由来について、本人・団体による公式説明は確認できていませんので、本記事では断定していません。技の掛け方の細部は選手・状況により異なります。最新情報は新日本プロレス・AEWの各公式でご確認ください。
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