シューティングスタープレスとは?やり方と封印の理由【図解】
※本記事はプロモーションを含みます
「バック宙してるのに、なんで前に飛んでいくの?」
「ライガーさんの技だって聞いたけど、試合でほとんど見たことがない」
この2つ、どちらも正解に近いところを突いています。シューティングスタープレス(SSP)は、理屈で考えるとどうにも噛み合わない技です。後ろに回っているのに、体は前へ進む。そして元祖である本人が、ほとんど使わないまま封印した技でもあります。
こんにちは、営業部長のウッシです。この記事では、SSPの構造・元祖・封印の理由・海外での有名な失敗までを、まとめて分解します。
📌 シューティングスタープレスとは?(結論から)
コーナー最上段で相手のほうを向いて立ち、後方へ宙返りしながら体は前へ進んで、仰向けの相手に胸から落ちる変形ダイビング・ボディプレスです。「バック宙なのに前へ飛ぶ」——この矛盾した動きが技の正体。
元祖は獣神サンダー・ライガーさん。ただし披露したのはマスクを被る前、素顔の「山田恵一」時代の凱旋帰国でした。技名を付けたのはリングアナウンサーの田中ケロさんと伝わります。動きのモチーフは『北斗の拳』の南斗水鳥拳だと、ライガーさん本人が語っています。
封印の理由は「年齢的な衰え」ではなく、練習すれば今でも出来ると思うが、とにかく危険な技なのでもうやらない、と本人が語ったと伝わります。
⚠️ この記事は、観戦を楽しむための「技の構造解説」です。技は絶対に真似しないでください。くわしい注意は本文の中に書いています。
📌 この記事でわかること
- 「後ろに回るのに前へ進む」というSSPの構造
- やり方を5ステップで分解(観戦理解用・図解つき)
- 元祖は誰か——ライガーさんではなく「山田恵一」だった話
- ライガーさんが封印した理由(危険だから、と伝わる)
- ブロック・レスナー選手がWrestleMania XIXでやってしまったこと
- ムーンサルトプレス/フェニックス・スプラッシュとの違い
- 派生技(360°SSP・マット上からのSSP・バーニングスタープレス)
- 公式動画でSSPを観る方法
技の名前を覚えたら、次は「初めての観戦まで」を扱った入門書が近道です。『現代プロレス入門』は注目選手の見方から初めての観戦まで1冊で通しています。
⏱ 30秒で片づく|SSPの疑問5つに即答
長い解説の前に、検索してきた方がまず知りたいところだけ潰しておきます。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| どんな技? | コーナー最上段から後方へ回転しながら前へ飛ぶボディプレス。回転量は約270度と説明されることが多い |
| 誰の技? | 元祖は獣神サンダー・ライガーさん。ただし披露は素顔の山田恵一時代 |
| なぜ見かけない? | とにかく危険な技だから、とライガーさんが語ったと伝わる。封印された技 |
| 名前の由来は? | 命名者は田中ケロさんと伝わる。Shooting Star=流れ星 |
| ムーンサルトとの違いは? | ムーンサルトは背を向けて後ろへ飛ぶ。SSPは前を向いて前へ飛びながら後ろへ回る |
🧬 正体:回転方向と進行方向が「逆」になっている技
まず、ここを飲み込めばSSPは9割わかります。
普通、バック宙(後方宙返り)をすれば、体は後ろへ移動します。人間が後ろに回ろうとすれば、重心も後ろへ流れるからです。ところがSSPは、後ろに回りながら、体だけは前へ進んでいく。
ライガーさん自身も、バック宙しているのに前へ飛んで行く、自分にもよく分からない不思議な技だ、という趣旨を語ったと伝わります。
考案した本人がそう言うくらいです。ファンが混乱するのも当然です。
なぜ前へ進めるのか
構造として説明するなら、「回る力」と「進む力」を、踏み切りの一瞬で切り離しているということになります。
- 上体を後ろへ倒す動きで回転を作る
- 同時に、脚でロープを前方向へ蹴り出して並進を作る
この2つを別々に発生させるから、「後ろに回りながら前へ飛ぶ」が成立する。文章にすると2行ですが、これを細いトップロープの上で、一発で、しかも相手の位置に合わせてやるわけです。習得難度が最高クラスとされる理由はここにあります。
分類としてのSSP
・大分類:ダイビング・ボディ・プレス(コーナー最上段から相手の上に落ちる空中技)
・小分類:変形ダイビング・ボディ・プレス(後方転回を伴う)
・英語表記:Shooting Star Press(略称SSP)
相手を極める技ではなく、落下してくる自分の体重そのものを武器にするタイプの技です。効かせ方だけ見ればハイフライフローやムーンサルトプレスと同じ系統。違うのは、そこへ到達するまでの空中の道のりだけです。
🔥 シューティングスタープレスのやり方|5ステップで分解
STEP 1:相手を仰向けに倒す
SSPは仰向けにダウンした相手へ落とす技です。うつ伏せでも形は成立しますが、基本は仰向け。まずそこまで持ち込む必要があります。
STEP 2:コーナー最上段に、相手を見て立つ
ここが最初の分岐点です。ムーンサルトプレスは相手に背を向けて立ちますが、SSPは相手のほうを向いて立ちます。この時点では、見た目はハイフライフローと同じ構えです。
STEP 3:バック宙の動作で踏み切りながら、前へ蹴り出す
技の心臓部。上体を後ろへ倒して回転を作りつつ、脚は前方向へ蹴る。観客からは「急にひっくり返って、なのに前へ飛んでいった」ように見える一瞬です。
正面を向いて立っているのに、飛んだ瞬間から相手が視界から消える——ここがSSPの怖いところです。
STEP 4:空中で後方へ約270度回す
飛んだあと、体は後方へ回り続けます。回転量はおよそ270度、つまり一回転に少し届かないところで止める。ここで止め損ねると、回りすぎても回り足りなくても事故になります。
STEP 5:腹側が下を向いたところで、胸から落ちる
回転が270度に達したとき、体はちょうど腹側が下を向いた水平姿勢になっています。そのまま自重を相手の胸腹部へ、面で乗せる。
理屈のうえでは「回転を止めた位置がすべて」です。止まるべき角度に、止まるべき高さで到達する——それを、着地の直前まで相手が見えない状態でやる。これがSSPです。
🎬 公式動画で観る
文章でこの回転を頭に描くのは、正直かなり難しい技です。5秒観たほうが早いので、公式チャンネルの映像を置いておきます。
まずは、SSPの使い手の一人・丸藤正道選手のもの。2003年7月16日、大阪府立体育館での一発です。
📺 【必殺技シリーズ】シューティングスタープレス 丸藤正道 2003年7月16日 大阪府立体育館(日テレプロレス中継アーカイ部【公式】)
もう一本、新日本プロレス公式のショート動画。メキシコ国旗を身にまとったドラダ選手のSSPです。回転の速さと、落ちる直前で体が水平に戻る瞬間がはっきり見えます。
📺 【新日本プロレス】メキシコ国旗を身に纏い、ドラダ渾身のシューティングスタープレス(新日本プロレスリング株式会社 公式)
🥋 元祖は「ライガーさん」ではなく「山田恵一」だった
SSPの元祖として名前が挙がるのは獣神サンダー・ライガーさんです。これは正しい。ただし、初めて披露したときの彼は、まだライガーではありませんでした。
この技が世に出たのは、素顔の「山田恵一」時代、海外遠征から凱旋帰国した1987年。本人は、トーナメントで負けた次の日のタッグマッチだったかな、と振り返っています(東スポ)。角のついたマスクを被る前の話です。
そして1989年4月24日、東京ドームの小林邦昭さん戦で「獣神ライガー」としてデビューします(1990年1月に獣神サンダー・ライガーへ改名)。マスクマンになってからは、佐野直喜さんとの試合でも使ったと伝わります。ライガーさんが「特別な相手」として名前を挙げる、あの佐野さんです。
技名を付けたのは、リングアナウンサーだと伝わる
命名者は、新日本プロレスのリングアナウンサーだった田中ケロさんと伝わります。
技を作った人ではなく、技を呼ぶ人が名前を付けた——そうだとすれば、地味にすごい話だと思います。流れ星(Shooting Star)という名前が、この技の見え方を決めた。名前が技の一部になった例です。
モチーフは『北斗の拳』の南斗水鳥拳
さらに面白いのが、動きの発想源です。ライガーさん本人が語っているところによれば、モチーフは『北斗の拳』でレイが使う南斗水鳥拳。
漫画の拳法を「プロレス技にできないか」と考えてしまうところが、のちにアニメから飛び出したマスクマンになる人らしい。ライガーさんという選手の全体像は【闘魂列伝⑱】獣神サンダー・ライガーにまとめています。
ちなみに「スターダスト・プレス」も同じ人の作
ライガーさんにはスターダスト・プレスという技もあります。1996年1月4日の東京ドームで金本浩二選手を相手に使い、のちに内藤哲也選手が使い手になった、と伝わります。
前方回転側のフェニックス・スプラッシュと並べて読むと、飛び技どうしの違いが見えてきます。
🚫 なぜライガーさんは封印したのか
封印の理由については、伝わっている話があります。
年齢的な衰えで封印したのでは、という見方に対して、ライガーさん本人は、練習すれば今でも出来ると思うが、とにかく危険な技なのでもうやらない、と語ったと伝わります。
できないからではなく、危険だからやめた。そうだとすれば、全然ちがう話です。
Numberも、封印されてもう見ることはできない技、と書いています。「持っているけど、出さない技」という、珍しいポジションにいる一手です。
危険なのは「回転が足りなかったとき」
SSPの怖さは、失敗の形が一択に近いところにあります。
- 回転が足りない → 体が水平に戻る前に落下し、頭・首から突き刺さる
- 距離が足りない → 相手に届かず、丸めた背中や膝からマットへ
- 相手が動いた → 何もない床に、同じ姿勢で落ちる
しかも飛んだ瞬間から相手が見えません。踏み切った時点で、成否がほぼ決まっている技なんです。
⚠️ 再掲・免責:この構造解説は観戦理解が目的です。SSPは回転不足がそのまま頭部からの落下につながる技です。実際に試みることは絶対に行わないでください。
🌎 ブロック・レスナー選手と、WrestleMania XIXの一件
SSPの危険性を世界中に知らしめてしまった試合があります。2003年3月30日、WrestleMania XIX。会場は米シアトルのセーフコ・フィールド。
メインイベントはWWE王座戦、ブロック・レスナー選手 vs カート・アングルさん。試合終盤、レスナー選手はコーナー最上段へ登り、SSPを狙いました。
結果は失敗。回り切れずに額から落ち(WWE公式)、脳震盪を負ったと伝わります。それでも最後はF5でレスナー選手が勝ち、WWE王座を獲得しました。
ヘビー級のレスラーがSSPを撃つということが何を意味するのか、いちばん重い形で残ってしまった一件です。
🐄 小声:あの体格でSSPを跳べること自体が異常なんです。跳べたからやった、が通用しない技もある——営業でも、できるからやる、が正解とは限らないのと同じで。
🧩 ムーンサルト・フェニックス・ハイフライフローとの違い
「トップロープから飛ぶ技」は種類が多くて、ここで混乱する人がとても多い。表で整理します。
| 技名 | 立ち方 | 回転方向 | 進む方向 |
|---|---|---|---|
| シューティングスタープレス | 相手を向いて立つ | 後方(約270度) | 前(相手側) |
| ムーンサルトプレス | 相手に背を向けて立つ | 後方 | 後ろ向きに跳んで相手側へ |
| フェニックス・スプラッシュ | 相手を向いて立つ | 前方+横ひねり | 前(相手側) |
| ハイフライフロー | 相手を向いて立つ | 回転しない(屈伸) | 前(相手側) |
覚え方はシンプルです。
・背を向けていたら → ムーンサルトプレス
・正面を向いて、回らずに落ちたら → ハイフライフロー
・正面を向いて、前に回ったら → フェニックス・スプラッシュ
・正面を向いて、後ろに回ったら → シューティングスタープレス
この4つが判別できるようになると、空中殺法の見え方が本当に変わります。飛び技全体の地図はプロレスの空中殺法まとめに、技のジャンル全体はプロレス技 一覧【図解】に置いてあります。
🌪️ 派生技|360°SSP・マット上からのSSP・バーニングスタープレス
SSPは「これ以上どうやって難しくするんだ」という技ですが、ちゃんと派生があります。
| 派生 | 構造 | 主な使い手 |
|---|---|---|
| 360°シューティングスター・プレス | SSPにひねりを加えた派生と伝わる | PACさん(2026年9月死去) |
| マット上からのSSP | コーナーに登らず、リングのマット上から放つ形と伝わる | PACさん |
| バーニングスタープレス | SSP系のオリジナル名称技 | 遠藤哲哉選手 |
とくにマット上から放つSSPは、理屈で考えると恐ろしい話です。コーナーという高さの助けを一切借りずに、あの回転と滞空を自力で作る。跳躍力だけで270度回して、しかも前へ進む。
このあたりまで来ると、もはや技というより身体能力の展示です。
❓ よくある質問
Q. シューティングスタープレスは誰が考えた技ですか?
獣神サンダー・ライガーさんです。ただし披露したのはマスクを被る前、素顔の山田恵一時代の凱旋帰国のとき。技名を付けたのはリングアナウンサーの田中ケロさんと伝わります。
Q. なぜライガーさんはSSPを使わなくなったのですか?
本人は、練習すれば今でも出来ると思うが、とにかく危険な技なのでもうやらない、と語ったと伝わります。衰えではなく危険性が理由、という話です。
Q. ムーンサルトプレスとの違いは?
立ち方が逆です。ムーンサルトプレスは相手に背を向けて立ち、後方へ宙返りします。SSPは相手のほうを向いて立ち、そこから後方へ回転しながら前へ進みます。
Q. フェニックス・スプラッシュとはどう違いますか?
回転の向きが逆です。どちらも相手のほうを向いて立ちますが、フェニックス・スプラッシュは前方へ回転(+横ひねり)、SSPは後方へ回転します。
Q. 回転数は何度ですか?
約270度と説明されることが多い技です。一回転に少し届かないところで止め、腹側が下を向いた水平姿勢で相手に落ちます。※「約270度」という角度は本記事の整理で、資料上は「後方に宙返りして相手に落ちる」とだけ説明されることが一般的です。
Q. ブロック・レスナー選手が失敗した試合はどれですか?
2003年3月30日のWrestleMania XIX、カート・アングルさんとのWWE王座戦です。SSPは失敗して額から落ち(WWE公式)、脳震盪を負ったと伝わります。最後はレスナー選手がF5で勝って王座を獲得しました。
Q. 代表的な使い手は?
丸藤正道選手、ウィル・オスプレイ選手、リコシェ選手、マット・サイダル選手、飯伏幸太選手、遠藤哲哉選手らが使い手として知られます(飯伏選手は右大腿骨の骨折で欠場中=2026年5月時点。サイダル選手は2026年8月のCollisionで、2年以上ぶりにAEWのシングル戦に復帰しました)。新日本プロレスの公式チャンネルでも、ドラダ選手のSSPが公開されています。
Q. 素人でも真似できますか?
絶対に真似しないでください。本記事は観戦理解のための技術解説です。SSPは回転が足りなかった瞬間に頭部・頸椎から落下する技で、トップレスラーでも失敗しています。
📺 この技を実際の試合で観るには
技の構造がわかったら、次は動いている映像です。
どの団体がどのサービスで観られるか(無料枠つき)はプロレスの配信・中継を比較に、無料視聴の具体的な手順はABEMAでプロレスを無料で観る方法にまとめています。
🐄 ウッシの視点:一番すごい技を、一番出さない
小学生のころ、深夜0時すぎのワールドプロレスリングを眠い目をこすって観ていました。推しは金本浩二選手、ライガーさん、エル・サムライさん。ジュニアの試合が、当時の自分にとっては全部でした。
そのライガーさんが、自分で作った最高難度の技を、ほとんど出さなかった。子どものころは正直、「なんで出さないんだろう」と思っていました。
営業を20年目までやってきて、今はわりとはっきり分かります。切り札を持っていることと、切り札を切ることは別の話なんです。
一発逆転の提案、無理を承知の価格、社内を敵に回してでも通す条件。持っていれば強い。でも、それを毎回出す人は長く続きません。出せる状況でも出さない判断ができる人だけが、20年、30年その場所に立ち続けられる。
ライガーさんは1989年から2020年1月まで、あのマスクで走り切りました。SSPは「使わなかったから残った技」で、ライガーさん自身も「使わなかったから残った選手」なんじゃないかと思っています。
次にSSPが出る場面に立ち会えたら、回転そのものよりも「なぜ今、この選手はこれを出したのか」を見てみてください。空中の1秒に、その選手の覚悟が全部乗っています。
マイペースにいきましょう🐄
営業部長のウッシでした。
📝 まとめ
・SSPは後方へ回転しながら前へ進む変形ダイビング・ボディプレス(回転量は約270度とされる)
・元祖は獣神サンダー・ライガーさん。披露は素顔の山田恵一時代、命名は田中ケロさんと伝わる
・モチーフは『北斗の拳』の南斗水鳥拳
・封印の理由は衰えではなく「とにかく危険だから」(本人談と伝わる)
・2003年WrestleMania XIXでブロック・レスナー選手がSSPに失敗(額から落ち、脳震盪を負ったと伝わる)
・見分け方は「正面を向いて、後ろに回ったらSSP」
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※回転量(約270度)の表記は本記事の整理です。「伝わります」と書いた箇所は、新聞社・団体公式などの出典で確かめきれなかった話です。
⚠️ 再々掲・免責:本記事はあくまで観戦理解・技術構造の解説目的です。シューティングスタープレスのような超高難度の空中技を一般の方が試みることは、極めて危険な行為であり、絶対に真似しないでください。
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