ハイフライフローとは?やり方【図解】|棚橋弘至さんの代名詞
※本記事はプロモーションを含みます
コーナー最上段に、驚くほど速く登る。
その一瞬だけ会場の音が変わって、次の瞬間にはもう飛んでいる——ハイフライフローは、そういう技です。
2026年1月4日、東京ドーム。46,913人・超満員札止めの前で、棚橋弘至さんは26年間の現役生活に終止符を打ちました。その26年を象徴し続けたのが、この技です。
この記事では、ハイフライフローの構造を分解します。なぜ「フロッグスプラッシュ」と呼ばれず、なぜ「ハイフライフロー」なのか。そしてハイフライアタックや旋回式との違いまで。
・ハイフライフローはコーナー最上段から放つフロッグ・スプラッシュ。分類は屈伸式ダイビング・ボディ・プレス
・倒れている相手に放つのがハイフライフロー、立っている相手に放つのがハイフライアタック
・派生にハイフライアタック(立った相手用)がある
・技の肝は空中の「屈伸」——体を縮めてから、当たる直前に開く
・使い手は棚橋弘至さん(新日本プロレス・現 代表取締役社長)。2026年1月4日 東京ドームで引退
この記事を読み終わる頃には、映像でハイフライフローを観たときに「いま何をしたか」が分かるようになります。
📌 この記事でわかること
- ハイフライフローの正体と、技の分類
- やり方を5ステップで分解(観戦理解用の構造解説)
- 「屈伸」がなぜ効くのか
- ハイフライアタック・旋回式との違い
- 棚橋弘至さんとこの技の26年
- 公式動画でハイフライフローを観る方法
🧬 ハイフライフローの正体:コーナー最上段からのフロッグ・スプラッシュ
まず分類から整理します。
・大分類:ダイビング・ボディ・プレス(コーナー最上段から相手の上に落ちる空中技)
・小分類:屈伸式ダイビング・ボディ・プレス
・別名で言えば:フロッグ・スプラッシュの形
ダイビング・ボディ・プレスは、プロレスでは非常に古くからある技です。コーナーに登って、相手の上に落ちる——それだけなら誰でも形は真似できます。
ではなぜ、棚橋さんのそれだけが固有名で呼ばれるのか。答えは「屈伸」にあります。
「屈伸式」がこの技の芯
ただ体を伸ばしたまま落ちるのが、いわゆる普通のダイビング・ボディ・プレス。対してハイフライフローは、飛んだあと空中で一度体を縮めます。そして相手に当たる直前に、体を開いてボディプレスの体勢に戻す。
この「縮めて、開く」という一拍が入ることで、二つのことが起きます。
① 落下の見え方が変わる——一度縮むことで、開いた瞬間の面積の変化が大きく見える
② 着弾の直前まで形を調整できる——縮んでいる間に、当てる位置を微修正できる
カエル(frog)が跳ぶ動きに似ていることから、この形はフロッグ・スプラッシュと呼ばれます。ハイフライフローはその系譜にある技です。
「ハイフライフロー」という名前
技名の由来として一般に説明されるのは、「高く飛び(high fly)」「流れるように相手へ落ちていく(flow)」というイメージです。飛んでから着地までの「流れ」を強調したニュアンスだと語られます。
※命名の経緯そのものについては、公式に一次情報が確認できたわけではありません。ここでは一般に説明されている解釈として紹介しています。
🪜 やり方【5ステップで図解】
STEP 1:相手を倒す
ハイフライフローは倒れている相手に放つ技です。まずそこまで持っていく必要があります。棚橋さんの場合、ここに至るまでのドラゴンスクリューやスリングブレイドが「布石」として機能していました。
STEP 2:コーナー最上段へ——ここが速い
ここがこの技の最大の特徴です。棚橋さんのコーナーへの登りは、とにかく速い。
倒した相手が起き上がる前に、いかに早く「撃てる位置」に立つか。登るのが速いほど、技が決まる確率は上がります。派手な部分ではありませんが、この技の勝率を支えているのは間違いなくここです。
STEP 3:正面を向いて飛ぶ
ムーンサルトプレスが相手に背を向けて後方宙返りで飛ぶのに対して、ハイフライフローは相手を正面に見たまま飛びます。
これは大きな違いです。飛んでいる間、相手が見えている。だから相手が転がって逃げようとしても、空中で修正が効く余地があります。
STEP 4:空中で「縮める」
飛んだ直後、体を縮めます。両腕を体の中心へ、脚を引きつける。ここが屈伸式と呼ばれる所以です。
この一拍が、観客に「来る」と分からせる時間にもなっています。技として一番「見える」瞬間です。
STEP 5:当たる直前に開いて、面で落ちる
相手に当たる直前、縮めた体を開いてボディプレスの体勢に戻します。
ここが重要で、点ではなく面で当てるのがボディプレスです。体全体の重さを相手の胸腹部へ、広い面積で乗せる。だから見た目ほど一点集中の破壊力ではなく、「重さ」で効かせる技です。
🎬 公式動画で観る
新日本プロレス公式チャンネルが、この技を扱った動画を公開しています。
📺 【新日本プロレス】棚橋弘至さん ハイフライフロー in 東京ドーム(新日本プロレス公式)
📺 【新日本プロレス 技図鑑】ハイフライフロー【特別編】/ 棚橋弘至さん(新日本プロレス公式)
技図鑑は、団体自身が技を解説しているシリーズです。文章で読むより、5秒観たほうが早い部分があります。
🔀 派生技:ハイフライアタックと旋回式
ハイフライフローには、はっきりした派生があります。ここを知っておくと、観戦中の解像度が一段上がります。
| 名称 | 相手の状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハイフライフロー | 倒れている | 基本形。屈伸式ダイビング・ボディ・プレス |
| ハイフライアタック | 立っている | 立った相手へ放つ、屈伸式ダイビング・ボディ・アタック |
ハイフライアタック:立っている相手へ
同じ形を、立っている相手に対して放つのがハイフライアタックです。倒れた相手に「乗る」のではなく、立っている相手に「ぶつかる」形になります。
倒す手間がいらないぶん、試合の流れの中で唐突に出せるのが利点です。
旋回式と呼ばれる派生について
さらに紛らわしいのですが、「旋回式ダイビング・ボディ・プレス」という語は、ムーンサルトプレスの原型(背を向けて後方転回する技)を指す言葉としても使われます。同じ「旋回式」でも意味が逆になるので、混同にご注意ください。
以下はファンの間で語られている説明として読んでください。
飛びながら90度旋回すると説明される派生です。
これが何の役に立つのか。答えは「相手の向き」です。通常、コーナーから飛ぶ側は、相手がリングと平行に倒れていることを前提にします。ところが相手がコーナーポストに頭を向けて倒れていると、そのままでは当てにくい。
そこで90度旋回して角度を合わせる、と説明されます。つまり相手がどう倒れていても撃てるようにするための工夫。技を増やすためではなく、撃てる場面を増やすための派生という見方は、筋が通っていると思います。
🤼 ムーンサルトプレスとの違い
同じ「コーナー最上段から飛ぶ技」でも、構造がはっきり違います。
| ハイフライフロー | ムーンサルトプレス | |
|---|---|---|
| 向き | 正面を向いて飛ぶ | 背中を向けて後方宙返り |
| 相手が見えるか | 見える | 飛ぶ瞬間は見えない |
| 空中動作 | 屈伸(縮めて開く) | 宙返り(体を反らせる) |
| 修正のしやすさ | 効きやすい | 難しい |
相手を見たまま飛べるかどうか——これが最大の差です。ムーンサルトプレスは背を向けて飛ぶので、外したときのリスクが大きい。ハイフライフローは正面から飛ぶぶん、着弾の直前まで調整できます。
どちらが上ということではなく、魅せ方の思想が違う技です。
🐄 ウッシの視点:26年、同じ技で勝ち続けた意味
営業を20年目やってきて思うのは、「同じ武器で勝ち続ける」ことの難しさです。
新しい手法は毎年出てきます。でも本当に強い人は、たいてい手数が少ない。ひとつの型を、場面ごとに使い分けられるまで磨き込んでいる。
棚橋さんは26年間、ハイフライフローで勝ち続けました。相手は当然、対策してきます。それでも通し続けた。そのためにハイフライアタックを作り、旋回式を作った。技を捨てて新しいものに乗り換えるのではなく、同じ技が通用する場面のほうを増やしていった。
これは営業でもまったく同じだと思っています。持ち球を増やすより、持ち球が効く場面を増やすほうが強い。
そして2026年1月4日、東京ドーム。46,913人・超満員札止めの中で、オカダ・カズチカ選手とのシングルマッチをもって、26年の現役生活が終わりました。試合は33分03秒、オカダ選手のレインメーカー→片エビ固め。棚橋さんは敗れ、そのまま現役生活に幕を下ろしました。引退セレモニーには武藤さん、藤波選手、柴田選手、内藤選手らが登場し、最後は「愛してま~す!」で締めくくられています。
ちなみにウッシは、新日本の興行後の打ち上げに一度だけ参加させていただいたことがあって、その場に棚橋さんもいらっしゃいました。そのときの話は 新日本プロレスの打ち上げ素顔エッセイ に書いています。
❓ よくある質問
Q. ハイフライフローとフロッグ・スプラッシュは同じ技ですか?
技の形としては同系統です。ハイフライフローはコーナーポスト最上段から放つフロッグ・スプラッシュで、分類は屈伸式ダイビング・ボディ・プレスとされます。固有名で呼ばれているのは、棚橋さんのフィニッシャーとして定着したためです。
Q. ハイフライアタックとの違いは?
相手が立っているか、倒れているかです。倒れている相手に放つのがハイフライフロー、立っている相手に放つのがハイフライアタックです。
Q. 「旋回式」とは何ですか?
ファンの間で使われている通称で、飛びながら90度旋回して角度を合わせる派生、と説明されます。ただし公式な技名としては確認できていません。また「旋回式ダイビング・ボディ・プレス」はムーンサルト系の別技を指す語としても使われるため、混同にご注意ください。
Q. ムーンサルトプレスとどちらが危険ですか?
一概には言えませんが、背を向けて飛ぶムーンサルトプレスのほうが、外したときのリスクは大きいとされます。ハイフライフローは正面を向いて飛ぶため、相手を見たまま修正できます。ただしどちらもコーナー最上段からの落下技で、危険であることに変わりはありません。
Q. 棚橋弘至さんは今も現役ですか?
いいえ。2026年1月4日の東京ドーム大会『WRESTLE KINGDOM 20』をもって引退されました。現在は新日本プロレスの代表取締役社長を務めています。
Q. ハイフライフローの映像はどこで観られますか?
新日本プロレス公式のYouTubeチャンネルで観られます(本記事にも2本埋め込んでいます)。過去の試合をまるごと観たい場合は、配信サービスや放送を利用する形になります。
📺 名勝負をちゃんと観たいなら
技の解説を読んだあとは、実際の試合で観るのが一番です。
配信サービスの違いは プロレスの配信・中継を比較 にまとめています。
📝 まとめ
・ハイフライフローはコーナー最上段から放つフロッグ・スプラッシュ=屈伸式ダイビング・ボディ・プレス
・技の芯は空中で「縮めて、開く」こと
・正面を向いて飛ぶので、着弾直前まで修正が効く
・派生のハイフライアタック=立った相手用(「旋回式」はファンの通称で、公式技名としては未確認)
・使い手は棚橋弘至さん。26年間この技で勝ち続け、2026年1月4日 東京ドームで引退
派生を作るというのは、その技を捨てないという意思表示だと思っています。ハイフライフローは、26年ぶんのその積み重ねが形になった技です。
マイペースにいきましょう🐄
📚 参考・出典(すべて2026年8月22日確認・4件)
- 【新日本プロレス 技図鑑】ハイフライフロー【特別編】/ 棚橋弘至さん(新日本プロレス公式YouTube)……団体公式による技の実演・解説
- 【新日本プロレス】棚橋弘至さん ハイフライフロー in 東京ドーム(新日本プロレス公式YouTube)……東京ドームでの実演映像
- 『WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退』大会結果(新日本プロレス公式)……2026年1月4日・東京ドーム/観衆46,913人(超満員札止め)/メイン 棚橋弘至さん vs オカダ・カズチカ=33分03秒 レインメーカー→片エビ固め/引退セレモニーの登場者/「10カウントゴング、トロッコで場内一周、最後は”愛してま~す!“で26年間の現役生活に終止符」
- 棚橋弘至さん(Wikipedia)……ハイフライフロー=コーナーポスト最上段から放つフロッグ・スプラッシュ、「屈伸式ダイビング・ボディ・プレス」の分類/1999年10月10日 後楽園ホールでデビュー/2026年1月4日 東京ドーム『WRESTLE KINGDOM 20』で引退/新日本プロレスリング代表取締役社長(2023年12月23日就任)/ハイフライアタックの実使用=2018年G1 CLIMAX 28決勝(対 飯伏幸太)「最後は背中へのハイフライフロー、ハイフライアタック、正調のハイフライフローの3連打で3カウント」、2021年 IWGP USヘビー級戦(対 ランス・アーチャー)「ハイフライフロー3連発(アタック→背面→正面)」
※技名の由来(「高く飛び、流れるように落ちる」)と、ハイフライアタック・旋回式の位置づけは、一般に説明されている解釈として記載しています。命名の経緯そのものについて公式の一次情報は確認できていません。
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