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タイガードライバーとは?やり方【図解】|三沢光晴さんの必殺技
— 必殺技解説 —

タイガードライバーとは?やり方【図解】|三沢光晴さんの必殺技

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※本記事はプロモーションを含みます

⚠️ 【重要・免責】本記事はプロレス観戦をより深く楽しむための「技術構造の解説」です。タイガードライバーは相手を高く抱え上げて背中から叩きつける投げ技であり、派生形の「タイガードライバー’91」は腕を固定したまま落とすため受け身が取りづらく、プロの世界でも別格に危険な技として扱われてきました。専門的な訓練を積んだプロレスラーだけが行える技術です。一般の方が他人に掛ければ、頸椎・腰椎・頭部の重大な損傷につながります。絶対に真似しないでください

「タイガードライバーって、要するにパワーボムじゃないの?」

「91が付くやつと付かないやつ、何が違うんだ……」

こんにちは、営業部長のウッシです。

この2つ、どちらも当然の疑問です。実況が「タイガードライバー!」と叫んだ次の試合では「タイガードライバー’91!」と叫んでいて、しかも落ち方が明らかに違う。同じ名前なのに別の技に見える。混乱しないほうがおかしい。

先に、いちばん大事なところだけ書きます。この2つを分けているのは「腕を放すか、放さないか」の一点だけです。そこさえ押さえれば、あとの疑問は全部ほどけます。

✅ 結論:タイガードライバーとは(30秒で)

  • 三沢光晴さんが2代目タイガーマスク時代に考案したオリジナル技。分類はシットダウン式ジャンピング・パワーボムの一種です
  • 構造はリバース・フルネルソン(相手の両腕を背中側でフックした形)から、ダブルアーム・スープレックスのように相手を持ち上げる両腕を放すと同時に相手の体を反転させ、胴を両腕で掴み直す尻餅をつくように着地して背中から叩きつける
  • ベースになったのはダブルアーム・スープレックス。「猛虎七番勝負」でジャンボ鶴田さんと対戦するのを前に考案されたと記録されています
  • タイガードライバー'91は別物。こちらは腕のロックを外さず(または落とす直前に外し)、回転させずに脳天から落とす変形。1991年1月26日・後楽園ホールの田上明さん戦で初披露されました
  • 英語圏での分類名はdouble underhook powerbomb(ダブルアンダーフック・パワーボム)。「Tiger Bomb」の呼称も使われます
  • 現在はプロレスリング・ノアの清宮海斗選手が「変型タイガードライバー」として使用しています

🐄(ウッシ小声:「両腕を固めたまま落とすのがタイガードライバー」と説明されているのを時々見かけますが、それは’91のほうです。ここが逆になっている解説、けっこう多いんですよ)

★★★★★ 投げ技(シットダウン式パワーボム系)
タイガードライバー
虎が仮面を脱ぐ前に遺した、最初の答え
👁 かけ方
前かがみの相手の両腕を背中側でフックし、ダブルアーム・スープレックスの要領で持ち上げる。空中で両腕を放すと同時に相手の体を反転させ、胴を両腕で掴み直す。そのまま開脚ジャンプし、尻餅をつくように着地して相手を背中から叩きつける。担いでから落とすまでの間に「持ち替え」が挟まる、工程の多い投げ技。
⚔️ STATUS※プロレス30年・ウッシの独断評価
💥 破壊力 9
⚡ 速度 7
🎯 決定力 9
🎓 習得難度 9
⚠️ 危険度 8
🎭 魅せ度 9
🥋 考案者・使い手
三沢光晴さん(1962年6月18日生/185cm・110kg/1981年8月21日デビュー/1984年8月26日に2代目タイガーマスクとしてデビュー(お披露目は同年7月31日・蔵前国技館)/1990年5月14日にマスクを脱ぐ)が、タイガーマスク時代に考案。海外ではアーメッド・ジョンソンさんが「パール・リバー・プランジ」の名で使用した。現在は清宮海斗選手(プロレスリング・ノア)が変型版を使う。
📜 ひとくちメモ
上位版のタイガードライバー'91は、腕のロックを外さずに落とす別フォーム。危険度が段違いのため三沢さんは大一番でしか使わず、一時は事実上の封印状態にあった。「同じ名前で、出力が2段階ある」という珍しい設計の技。

📌 この記事でわかること

  • タイガードライバーの正体──「パワーボムの一種」で片づけてはいけない理由
  • やり方を「フックする・持ち上げる・持ち替えて落とす」の3工程で図解分解
  • タイガードライバーと’91の違いを、腕・回転・落下角度の3点で整理
  • ‘91が「封印」されていたと言われる理由と、1994年6月3日の解禁
  • パワーボム/タイガースープレックス/エメラルド・フロウジョンとの見分け方
  • 誰が受け継いでいるのか(清宮海斗選手の変型タイガードライバー)
  • ‘91の考案者をめぐる、日本語資料と英語資料の食い違い

⏱ 先に片づける|タイガードライバーの疑問6つに即答

疑問答え
誰の技?三沢光晴さんが2代目タイガーマスク時代に考案したオリジナル技
何の技?シットダウン式ジャンピング・パワーボムの一種。ダブルアーム・スープレックスがベース
’91との違いは?腕を放すか放さないか。通常版は空中で腕を放して回転させ背中から、‘91は腕をロックしたまま脳天から落とす
普通のパワーボムとの違いは?入り方が違う。パワーボムは相手の脚を肩に担ぐのに対し、タイガードライバーは相手の両腕を背中側でフックしてから持ち上げる
英語では?double underhook powerbomb(ダブルアンダーフック・パワーボム)。「Tiger Bomb」とも
今も観られる?観られます。ノアの清宮海斗選手が変型タイガードライバーを使用中

🧬 タイガードライバーの正体|「持ち替え」が入るパワーボム

まず分類から。タイガードライバーはシットダウン式ジャンピング・パワーボムの系統に入ります。

シットダウン式ジャンピング・パワーボムというのは、相手を落とす際にジャンプし、同時に自分の両足を前方へ大きく開脚しながら尻餅をつくように着地して叩きつける形の総称です。膝立ちで落とすのでも、立ったまま落とすのでもない。自分も一緒に落ちることで、相手が受ける衝撃を逃がさない設計になっています。

ただ、タイガードライバーを「パワーボムの一種」で終わらせると、この技のいちばん面白いところが抜け落ちます。

項目内容
分類投げ技(シットダウン式ジャンピング・パワーボム系)
考案者三沢光晴さん(2代目タイガーマスク時代)
ベース技ダブルアーム・スープレックス
入口の形リバース・フルネルソン(相手の両腕を背中側でフック)
途中の工程両腕を放し、体を反転させ、胴を掴み直す
落とす向き背中から
考案のきっかけ「猛虎七番勝負」でジャンボ鶴田さんと対戦するのを前に考案されたと記録される

注目してほしいのは、途中の工程の行です。

普通の投げ技は、掴んだら掴んだまま落とします。バックドロップも、パワーボムも、ジャーマンも、握った手はゴールまで離しません。ところがタイガードライバーは、相手を宙に浮かせた状態で、いったん手を放し、掴み直す

字で書くと1行ですが、これは相手が空中にいる0コンマ何秒かの間に、持ち手を全部作り直しているということです。しかも失敗したら相手は無防備なまま落ちる。この工程が入っているせいで、タイガードライバーは「豪快な技」ではなく「精密な技」になっています。

🐄(ウッシ小声:手を放すって、投げ技において普通は事故なんですよ。それを技の設計に組み込んだ人がいる、というのが最初に聞いたときの衝撃でした)

🔥 タイガードライバーのやり方|3工程で分解

タイガードライバーの掛け方 模式図(3工程) 前かがみの相手の両腕を背中側でフックし、ダブルアームスープレックスの要領で持ち上げ、空中で腕を放して体を反転させ胴を掴み直し、開脚ジャンプして尻餅をつくように着地し背中から叩きつける3工程の抽象図。 タイガードライバー|3工程の構造 ① フックする ② 持ち上げる ③ 持ち替えて落とす 両腕を背中側でフック(リバース・フルネルソン) 相手は前かがみ ダブルアーム・スープレックスの要領で真上へ 相手は逆さ・頭が下 腕を放す → 体を反転 → 胴を掴み直す 開脚ジャンプ+尻餅で背中から叩きつけ 衝撃点:背中・肩甲骨まわり('91はここが後頭部〜首に変わる) ※模式図(実姿勢を簡略化) 絶対に真似しないでください

資料に記録されている動きを、工程ごとに分けます。これは観戦理解のための分解であって、練習手順ではありません。

工程①:フックする──前かがみの相手の両腕を背中側で固める

入口はリバース・フルネルソンの形です。前かがみになった相手の脇の下から自分の腕を差し込み、相手の両腕を背中側でフックする。英語で double underhook(ダブルアンダーフック)と呼ばれるのはこの形のことです。

この時点で、相手は両腕を封じられています。手をつくことも、受け身を取ることも、相手の体を掴み返すこともできない。投げ技として見たとき、入口ですでに勝負がついているのがこの技の設計です。

工程②:持ち上げる──ダブルアーム・スープレックスの要領で真上へ

腕をフックしたまま、ダブルアーム・スープレックスのように相手を持ち上げます。ここが「ベースはダブルアーム・スープレックス」と言われる所以で、実際、この段階まではまったく同じ技です。

三沢さんはこの持ち上げをかなり高く取っていました。相手の体が完全に垂直近くまで立ち上がる。高さがあるほど、次の工程に使える時間が長くなります。

工程③:持ち替えて落とす──腕を放し、反転させ、胴を掴み直す

そして、ここがタイガードライバーがタイガードライバーである理由です。

持ち上げた頂点で、相手の両腕を放します。同時に相手の体を反転させ、今度は相手の胴を両腕で抱え直す。腕のロックからパワーボムの抱え方へ、空中で持ち替えるわけです。

抱え直したら、自ら開脚ジャンプして尻餅をつくように着地。相手は背中からマットに叩きつけられます

工程やっていること失敗したときのリスク
① フックする両腕を背中側でロック受け身の手段を奪う=この時点で相手は無防備
② 持ち上げるダブルアーム・スープレックスの要領で垂直近くまで高さが足りないと③の時間が作れない
③ 持ち替えて落とす腕を放す→反転→胴を掴み直す→開脚着地掴み直しが遅れれば、そのまま頭から落ちる

表の右下、ここが本質です。この技は「相手を放すこと」を前提にしている。放してから掴むまでのわずかな時間、相手は誰にも支えられていない状態で宙にいます。

だからタイガードライバーは、掛ける側の技術だけでは成立しません。受ける側が体を預けきって、掛ける側の掴み直しを信じている。プロレスの投げ技はすべてそうですが、この技はその依存度が飛び抜けて高い。

⚠️ 再掲・免責:相手を持ち上げ、途中で手を放し、掴み直して落とす——この一連の動作は、受け手が高度な受け身の技術を持っていて初めて成立します。訓練を受けていない人が他人に掛ければ、頸椎・頭部の重大な損傷につながります。本記事は観戦理解のための構造解説です。

⚡ タイガードライバーとタイガードライバー’91の違い

ここが本題です。検索してきた方の多くは、たぶんこの章を読みに来ています。

タイガードライバーとタイガードライバー'91の落下角度比較 模式図 通常版は腕を放して反転させ背中から落とすのに対し、91は腕をロックしたまま回転させず脳天から落とす。落下時の相手の姿勢の違いを示した抽象図。 落ち方の違い|通常版と'91

タイガードライバー 腕を放す → 反転 → 背中から 水平に近い姿勢 衝撃は背中・肩甲骨に分散

タイガードライバー’91 腕はロックのまま → 回転させない 垂直に近い姿勢 衝撃が後頭部〜首の一点へ

日本語版Wikipediaの記述を、そのまま整理します。

比較項目タイガードライバータイガードライバー’91
空中で放すロックしたまま(または落とす直前に外す)
回転空中で反転させる回転させない
持ち替え胴を掴み直すなし
落下の向き背中から脳天から
受け身背中で衝撃を分散できる腕が使えず、逃がす場所がない
使用頻度通常のフィニッシュとして大一番のみ

違いは「腕を放すか、放さないか」の一点です。そして、この一点が結果を全部変えます。

通常版は、腕を放して反転させることで相手が背中から落ちる姿勢を作ります。背中は人体でいちばん広い面で、受け身で衝撃を散らせる場所です。つまり通常版の「腕を放す」工程は、危険を下げるための工程でもある

‘91はそれをやりません。腕を固定したまま、回転させずに落とす。相手は両腕を封じられたまま、垂直に近い角度で、後頭部から着地します。受け身の取りようがない。

だから三沢さんは、この技をここぞという大一番でしか出しませんでした。「出し惜しみ」ではなく、出したら試合が終わる(そして相手の体が持たない)ことを知っていたから、というのがこの技の扱われ方です。

なお日本語版Wikipediaには、北斗晶さんも一時期同じ形の技を使用していたが、負傷事故のあとに使用を取りやめたという記述もあります。プロの世界でも、そういう扱いになる技だということです。

首まわりの技がどれだけ体に残るかについては、プロレス技の”効き”を首から考えるのほうでも触れています。観る側が思っているより、首は正直な部位です。

🐄(ウッシ小声:技の名前に西暦が入っているせいで軽く聞こえるんですが、あれは「1991年に作った」というだけの意味です。中身は名前の軽さと真逆でした)

🗓 ‘91の年表|初披露、封印、そして1994年6月3日の解禁

タイガードライバー’91には、はっきりした「出た日」と「戻ってきた日」があります。

年月日出来事
1991年1月26日後楽園ホール・田上明さん戦で初披露。技名の「‘91」はこの年に由来
1991年以降危険性の高さから、三沢さんは大一番でのみ使用。事実上の封印状態に
1994年6月3日日本武道館・三冠ヘビー級選手権 vs 川田利明さんで解禁

1994年6月3日の三冠戦は、四天王プロレスを語るときに必ず名前が挙がる一戦です。日テレプロレス中継アーカイ部の公式チャンネルが、この試合を「ついに封印を解いた!タイガードライバー’91が炸裂!!」というタイトルで公開しています。放送していたテレビ局の公式アーカイブが「封印」という言葉を使っている——それがこの技の位置づけを、いちばん端的に表しています。

四天王プロレスという時代そのものについては【闘魂列伝⑪】三沢光晴さんにまとめました。あの4人が何を削り合っていたのかは、技の構造だけでは説明しきれません。

📺 動画で観る(公式)

📺 1994年6月3日・日本武道館 三冠ヘビー級選手権 三沢光晴さん vs 川田利明さん(日テレプロレス中継アーカイ部【公式】)

映像で観ると、通常版と’91の差が一発で分かります。持ち上げたあと、腕がほどけるかどうかだけを見てください。ほどけたら通常版、ほどけないまま落ちたら’91です。

🥋 タイガードライバーの使い手と、その後

使い手位置づけ
三沢光晴さん(全日本プロレス→プロレスリング・ノア)考案者・本家。2代目タイガーマスク時代に開発し、素顔になってからも主力技として使い続けた
アーメッド・ジョンソンさん(WWFほか)米国で「パール・リバー・プランジ」の名称で使用。ギミック上の出身地・ミシシッピ州パールリバーにちなむとみられる
清宮海斗選手(プロレスリング・ノア)現役の継承者。変型タイガードライバーを使用

清宮選手のフォームは、資料では「背後から相手の右腕をチキンウィング、左腕をフックするように捕らえ、担ぎ上げると同時に180度横回転させた後にシットダウンして後頭部からマットに叩きつける」と説明されています。本家の「前から両腕をフック」とは入り方が違う、独自のアレンジです。

清宮選手は三沢さんを憧れの選手として公言していて、タイガースープレックス・ホールド、リバースネルソン・デスロック、三沢さんのフェイスロックと川田利明さんのストレッチ・プラムを組み合わせたオリジナル技など、四天王の技を自分の形で持ち込んでいます。技を継ぐというのは、同じ動きをコピーすることではない——清宮選手を観ているとそれがよく分かります。

そして三沢さんは、2009年6月13日に46歳で亡くなりました。それでも、この技はいまリングの上にあります。

🆚 似ている技との見分け方

「これタイガードライバー?」と迷いやすい技を並べておきます。見るポイントは「相手のどこを掴んでいるか」だけです。

掴んでいる場所落とす向き
タイガードライバー両腕→(空中で持ち替え)→胴背中から
パワーボム相手の脚を自分の肩に担ぐ(相手は自分の顔の前)背中から
タイガースープレックス背後から両腕をチキンウィングで固める後方へ反り投げ
エメラルド・フロウジョン片肩にうつ伏せで担ぎ上げる自分の横側へ倒れ込み、後頭部から

いちばん混同されるのがパワーボムですが、この2つは入口が正反対です。パワーボムは相手の脚側から入って担ぐ。タイガードライバーは相手の腕を封じてから持ち上げる。落ちた瞬間の絵は似ていても、そこに至る道筋がまったく違います。詳しい構造はパワーボムとは?やり方【図解】に整理しました。

タイガースープレックスのほうは名前が近いだけで、別系統の技です。こちらは初代タイガーマスク(佐山サトルさん)の代名詞で、三沢さんも2代目タイガーマスク時代に習得しています。両腕を固めるという共通点はありますが、投げる方向が後ろか、落とす方向が下かで完全に分かれます。→タイガースープレックスのやり方【図解】

そして三沢さんのもう一つの代名詞がエメラルド・フロウジョン。タイガードライバーが「腕を封じて落とす技」なら、エメラルド・フロウジョンは「担いで横倒しに落とす技」です。→エメラルドフロウジョンとは?やり方と三沢光晴さんの美学

歴代タイガーマスクの系譜そのものを追いたい方は歴代タイガーマスク完全ガイドへ。技のジャンル全体を俯瞰したいならプロレス技 一覧【イラスト図解・早見表】が入口になります。

🔍 ‘91の考案者をめぐる、資料の食い違い

正直に書いておきます。ここは資料によって話が違う部分です。

日本語版Wikipediaは、タイガードライバー’91を三沢さんによるタイガードライバーの変形として記述しています。一方、英語版Wikipediaのパワーボムの項には、この技は三沢さんの技として広く知られているが、実際に考案したのは女子プロレスのジャガー横田選手であり、三沢さんが「Tiger Driver ‘91」として広めたという趣旨の記述があります。なお同じ英語版Wikipediaは’91の初披露を「1991年1月29日」としていますが、日本語資料(小佐野景浩さんの著書を典拠とする記述)は1月26日で一致しており、本記事は日本語側を採っています。

どちらが正しいのか、本記事の調査では一次資料まで確認できませんでした。断定はしません。ただ、技の起源が国境や団体をまたいで語り直されるのはプロレスではよくある話で、「誰が最初に出したか」と「誰が世に知らしめたか」は別だという事実だけは、押さえておく価値があります。

技記事でいちばん罪深いのは、確認できていない起源話を確定事項として書くことだと思っています。ここは「そういう説がある」というところまでで止めます。

📺 タイガードライバーを実際の試合で観るには

文章と図解では、どうしても「腕がほどける瞬間」の速さだけは伝わりません。あれは映像でしか分からない。

三沢さんの試合はアーカイブ配信が中心になりますが、この技の系譜が”いま”動いているのを観たいなら、プロレスリング・ノアの中継が最短ルートです。清宮海斗選手の変型タイガードライバーは、現行のノアのリングで観られる技です。

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❓ タイガードライバーのよくある質問

Q1. タイガードライバーは誰の技ですか?

A. 三沢光晴さんが2代目タイガーマスク時代に考案したオリジナル技です。ベースはダブルアーム・スープレックスで、「猛虎七番勝負」でジャンボ鶴田さんと対戦するのを前に考案されたと記録されています。海外ではアーメッド・ジョンソンさんが「パール・リバー・プランジ」の名前で使いました。

Q2. タイガードライバーとタイガードライバー’91の違いは?

A. 腕を放すか、放さないかです。通常版は空中で相手の両腕を放し、体を反転させて胴を掴み直し、背中から落とします。‘91は腕のロックを外さず(または落とす直前に外し)、回転させずに脳天から落とす変形。受け身の取りやすさがまるで違うため、三沢さんは’91を大一番でしか使いませんでした。

Q3. タイガードライバー’91はいつ初めて出たんですか?

A. 1991年1月26日・後楽園ホールの田上明さん戦で初披露されました。技名の「‘91」はこの年に由来します。その後は封印状態となり、1994年6月3日・日本武道館の三冠ヘビー級選手権(対 川田利明さん)で解禁されています。

Q4. パワーボムとは何が違いますか?

A. 入口が正反対です。パワーボムは相手の脚を自分の肩に担いで持ち上げるのに対し、タイガードライバーは相手の両腕を背中側でフックして持ち上げます。落ちた瞬間の絵は似ていますが、そこに至る手順は別物です。分類上は、タイガードライバーもシットダウン式パワーボムの一種にあたります。

Q5. タイガースープレックスとは違うんですか?

A. 別の技です。タイガースープレックスは背後から両腕をチキンウィングで固めて後方へ反り投げる技で、初代タイガーマスク(佐山サトルさん)の代名詞。三沢さんも2代目タイガーマスク時代に習得しています。後ろへ投げるのがスープレックス、下へ落とすのがドライバーと覚えると混ざりません。

Q6. いま、この技を使っている選手はいますか?

A. います。プロレスリング・ノアの清宮海斗選手変型タイガードライバーを使用しています。背後から相手の右腕をチキンウィング、左腕をフックするように捕らえ、担ぎ上げると同時に180度横回転させてシットダウンする形で、本家とは入り方が異なる独自のアレンジです。

Q7. 英語ではなんと呼ばれますか?

A. 技の形状としてはdouble underhook powerbomb(ダブルアンダーフック・パワーボム)に分類され、Tiger DriverまたはTiger Bombと呼ばれます。‘91は英語圏でもそのまま「Tiger Driver ‘91」です。

Q8. 素人でも真似できますか?

A. 絶対にやめてください。この技は、掛ける側が空中で一度手を放し、掴み直すという工程を含みます。掴み直しが少しでも遅れれば、相手は両腕を封じられたまま頭から落ちます。‘91はそもそも受け身が取れない構造です。本記事は観戦理解のための構造解説であり、練習手順ではありません。

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🐄 ウッシ視点:「一度手を放す」ができる人は強い

この技を分解していて、ずっと引っかかっていたのは工程③でした。

持ち上げたあと、いったん手を放す。

投げ技において、手を放すのは普通は失敗です。ところがタイガードライバーは、それを設計に組み込んでいる。放さないと相手が背中から落ちる姿勢にならないから、放す。放したあと、ちゃんと掴み直せる技術があるから、放せる。

私は生観戦の初体験がドラゴンゲートで、三沢さんの試合は映像でしか観ていません。だから当時の会場の空気は語れない。でも、映像を何度も止めながらこの工程を見返して思ったのは、「放せるかどうかは、拾える自信があるかどうかで決まる」ということでした。

営業を20年やってきて、これは笑えないくらい刺さります。

私は若い頃、一度掴んだ案件を絶対に放しませんでした。握ったまま押し切ろうとする。値引きでも、回数でも、とにかく手を離さない。その結果どうなったかというと、相手が受け身を取れない角度で落ちるんです。契約は取れても、後から現場が痛い目に遭う。私の落とし方は、たぶんずっと’91でした。

いま思えば、うまい人は必ずどこかで一度手を放していました。持ち帰らせる。考えさせる。他社と比べさせる。放してももう一度掴める自信があるから放せる。そして放したほうが、相手はきれいな姿勢で着地できる。

握り続けるより、放して掴み直すほうが難しい。

手を放せるのは、拾える人だけだ。

次にタイガードライバーが出る場面を観たら、持ち上げたあと、腕がほどけるかどうかだけを見てください。ほどけたら通常版。ほどけないまま落ちたら、‘91です。0コンマ何秒の差ですが、そこが分かると、この技は完全に別の顔を見せます。

それではまた次のプロレス記事でお会いしましょう。マイペースにいきましょう🐄

営業部長のウッシでした。

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📚 参考・出典(7件・2026年8月27日確認)

※技のフォームや名称は資料によって表記が分かれる場合があります。タイガードライバー’91の考案者については日本語資料と英語資料で記述が異なり、本記事では一次資料まで確認できていないため断定を避けています。配信の料金・無料枠は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

⚠️ 再々掲・免責:本記事は観戦理解・技術構造の解説を目的としています。プロレス技を一般の方が他人に掛けることは極めて危険であり、刑事・民事の責任を問われる可能性もあります。とくにタイガードライバー’91の形は、受け身が取れない構造です。絶対に真似しないでください。


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