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モンゴリアンチョップとは?やり方【図解】と使い手の系譜|キラー・カーン→天山広吉→グレート-O-カーン
— 必殺技解説 —

モンゴリアンチョップとは?やり方【図解】と使い手の系譜|キラー・カーン→天山広吉→グレート-O-カーン

USSIBLOG

※本記事はプロモーションを含みます。

📰 【2026年8月15日 追記】モンゴリアンチョップの代名詞・天山広吉さんが、2026年8月15日に引退しました。両国国技館・観衆7,777人(超満員札止め)。5分1本勝負として発表されていた最後の一戦は「時間無制限1本勝負」に変わり、9分22秒、小島聡選手のラリアットで決着しました。この日のことは→天山広吉さん、ありがとうございました|35年の花道

こんにちは、営業部長のウッシです。

「あの両手でバサッとやるやつ、名前なんだっけ?」 「モンゴリアンチョップって、結局モンゴルの技なの?」

――この2つ、プロレスを観はじめた人からいちばんよく飛んでくる質問です。答えを先に言ってしまうと、技の名前は「モンゴル」でも、この名前を世に定着させたのは新潟県出身の日本人レスラー。しかもこの技には、「封印マッチで一度奪われ、名前を変えて取り返した」という、プロレス史でもかなり珍しい”技の相続争い”の物語がくっついています。

本記事では、モンゴリアンチョップの構造とやり方を図解で分解したうえで、キラー・カーンさん → 天山広吉さん → グレート-O-カーン選手と渡っていった系譜を、観戦目線で追いかけます。

📌 モンゴリアンチョップとは?(結論から)

両手を同時に振りかぶり、相手の首筋〜肩口へ左右からダブルで叩き込むチョップです。片手で胸板を張る逆水平チョップと違い、左右2発が同時に着弾するのが最大の特徴。

モンゴル人キャラクターで活躍したキラー・カーンさんの得意技として知られています。カーンさんの引退後は天山広吉さんが代名詞とし、現在はグレート-O-カーン選手が受け継いでいます。

天山が放つときは会場から「シュー」の唱和が飛ぶのが恒例。2021年1月30日の「敗者モンゴリアンチョップ封印マッチ」でO-カーンに敗れて一度封印され、同年2月28日に「真モンゴリアン・チョップ」として復活しました(2026年7月時点)。

📌 モンゴリアンチョップ以外の技も知りたい方へ。天山広吉さんが使った必殺技8つは 天山広吉さんの技一覧・必殺技 に一覧でまとめています。

⚠️ この記事は、観戦を楽しむための「技の構造解説」です。技は絶対に真似しないでください。くわしい注意は本文の中に書いています。

★★★★ 打撃
モンゴリアンチョップ
両手同時に落ちる蒙古の一撃
👁 かけ方
相手と正対し、両腕を同時に大きく振りかぶって、左右の手刀を相手の首筋〜肩口へ同時に振り下ろす打撃技。片手を横に走らせる逆水平チョップと違い、上から斜めに2発が同時着弾する。天山広吉さんは、初期は打ち下ろしたあと両腕を一回転させ、のちにバッテンを描く形に変わったと言われます。
⚔️ STATUS※プロレス30年・ウッシの独断評価
💥 破壊力 7
🔒 拘束力 1
🎯 決定力 4
🎓 習得難度 3
⚠️ 危険度 6
🎭 魅せ度 10
🥋 元祖・名手
キラー・カーンさんの得意技として知られる。カーンさんの引退後は天山広吉さんが代名詞にし、現在はグレート-O-カーン選手も使う。総合格闘技では桜庭和志選手が1999年の試合で出している。
📜 ひとくちメモ
威力そのものより「絵になる」ことで生き残った技。天山版は会場の「シュー」の唱和が名物。放つ本人の声と間で場内の空気が一変する、数少ない"参加型"の打撃技だ。

🎪 この技の集大成を観るなら。天山広吉さんの引退試合(8/15両国・開催済み)は配信のアーカイブで観られます。大会の詳細は天山広吉の引退試合まとめへ。

📌 この記事でわかること

  • モンゴリアンチョップの正体(どこを、どう打つ技なのか)
  • やり方を図解+4ステップで分解
  • 「モンゴルの技」ではない――名前の由来とキラー・カーンの正体
  • 天山広吉さんが代名詞にするまでの経緯と、フォームの変遷史
  • 2021年「敗者モンゴリアンチョップ封印マッチ」と”真”モンゴリアン誕生
  • 継承者グレート-O-カーン版との違い・派生技
  • 逆水平チョップとの見分け方

🙌 正体は「ダブルで落ちるチョップ」

モンゴリアンチョップは、両手を同時に振りかぶり、相手の首筋〜肩口に左右からダブルで放つチョップです。手刀(しゅとう)系の打撃技のひとつで、着弾点は首筋から肩口にかけて。

項目内容
分類打撃技(手刀打ち/チョップ系)
打点首筋〜肩口(左右同時)
体勢相手と正対し、両腕を振りかぶって上から斜めに振り下ろす
名前の背景モンゴル人キャラクターで活躍したキラー・カーンさんの得意技
特徴声・呼吸・モーションとセットで”魅せる”打撃

ポイントは「2発が同時に着弾する」こと。プロレスの打撃はふつう1発ずつ順に当てていきますが、この技は左右が同時に落ちる。だから受けた側は体の左右どちらにも逃げ場がなく、真下に沈むしかない。あの独特の”崩れ落ち方”は、両肩を同時に叩かれる構造から生まれています。

そしてもうひとつ。モンゴリアンチョップは、プロレス技のなかでも珍しい”観客参加型”の打撃です。後で詳しく書きますが、天山広吉さんが構えると、会場が「シュー」と唱和する。技そのものよりも、放つ前の”間”で会場を掌握してしまう。ここがこの技の本当の価値だと私は思っています。

🔥 モンゴリアンチョップのやり方|4ステップで分解

モンゴリアンチョップの掛け方 模式図(正面から見た図) 相手と正対し、両腕を同時に振りかぶって、左右の手刀を相手の首筋〜肩口へ同時に斜めに振り下ろす構造の抽象図。 モンゴリアンチョップ|正面から見た構造 相手(正対して立つ) 打点:左右の首筋〜肩口に 2発が同時に着弾 かける側(両腕を同時に振りかぶる) 上から斜めに、左右を同時に振り下ろす ⚡ 受けた側は左右どちらにも逃げられず、その場に沈む ※模式図(実姿勢を簡略化) 絶対に真似しないでください

試合で見るモンゴリアンチョップの流れを、観戦理解のために分解します。

Step 1:相手と正対し、“間”を作る

まず相手の正面に立ちます。ここですぐには打たないのがこの技の作法。天山なら独特の呼吸で溜めを作る。この一拍が長いほど会場のボルテージが上がる――打撃なのに、入り口が”演出”から始まる珍しい技です。

Step 2:両腕を同時に振りかぶる

両腕を頭上へ大きく振りかぶります。天山のフォームは、初期は打ち下ろしたあと両腕を一回転させ、のちにバッテン(×)を描く形に変わったと言われます。

Step 3:左右の手刀を首筋〜肩口へ同時に振り下ろす

振りかぶった両手刀を、上から斜めに、相手の首筋〜肩口へ同時に叩き込みます。ここが技の核心。片手のチョップと違い左右が同時に落ちるので、受け手は体を捻って逃がすことができません。

Step 4:打ち下ろした後のモーションで魅せる

天山の初期のフォームには、打ち下ろしたあとに両腕を一回転させる動きがあったと言われます。実戦的な意味はなくても、こうした”余韻”がモンゴリアンチョップという技の顔になりました。

⚠️ 再掲・免責:この構造解説は観戦理解が目的です。専門訓練を受けていない人が他人に打ち込むと、大けがにつながります。絶対に真似しないでください。

📺 動画で観る(公式)

言葉で読むより、動画を観たほうが早い技です。下は、この記事の後半で解説する「敗者モンゴリアンチョップ封印マッチ」の、試合前に公開された動画。新日本プロレスの公式チャンネルでどうぞ。

📺 命も、モンゴリアンチョップも全部奪ってやる!第3試合〈敗者モンゴリアンチョップ封印マッチ〉天山 vs オーカーン【2021年1月30日(土) THE NEW BEGINNING in NAGOYA】(NJPW WORLD Official・試合前に公開)

🇲🇳 「モンゴルの技」ではない|名前の由来とキラー・カーン

さて、冒頭の質問への答え合わせです。モンゴリアンチョップはモンゴルに伝わる技ではありません。

この技は、キラー・カーンさんの得意技として知られています。カーンさんは、アメリカでモンゴル人キャラクターとして活躍したレスラー。技名の「モンゴリアン」は、そのキャラクターと重なる呼び名なんです。

そのキラー・カーンさんの正体は、本名・小沢正志さん。新潟県吉田町(現・燕市)出身の日本人レスラーです(1947年3月6日生/2023年12月29日逝去、76歳)。1979年3月にアメリカへ渡り、「キラー・カーン」を名乗りました。東スポは”蒙古の怪人”と書いています。

日本人が、アメリカで、モンゴルの怪人を演じる。そのキャラクターとともに知られた打撃が、45年以上たった今も新日本のリングで打たれている――これ、よく考えるととんでもない話です。

カーンといえば、1981年5月、ニューヨーク州ロチェスターでの試合でアンドレ・ザ・ジャイアントさんが足を骨折し、“大巨人の足を折った男”として知られた一戦があまりに有名。1987年に現役を引退し、その後は飲食店経営などで知られました。

コトバンク(デジタル大辞泉プラス)も、この技を「日本人レスラー、キラー・カーンの得意技として知られる」と説明しています。

🐃 天山広吉さんが代名詞にするまで|きっかけは寮のビデオ鑑賞

カーンさんの引退後、この技を自分の看板にしたのが天山広吉さん(1971年3月23日・京都府出身/1991年1月デビュー/IWGPヘビー級4度戴冠・G1 CLIMAX優勝3回=2003・2004・2006年)です。

きっかけが、めちゃくちゃ良い話なんですよ。若手時代、寮の同部屋の先輩・三沢威さんと、アンドレさん対カーンさんの試合映像を観ていたときに、「山本、これやっちゃえよ」と勧められた――それが始まりだったと、天山さん本人がNumberのインタビューで語っています。

先輩の何気ないひと言が、のちに「シュー」の唱和で会場を揺らす名物技になる。しかも本人が探しにいったわけではなく、他人が見つけてくれた。私はこのエピソードが大好きです。

天山版モンゴリアンチョップのフォーム

天山版は、初期は打ち下ろしたあと両腕を一回転させ、のちにバッテンを描く形に変わったと言われます。

同じ技名でも、フォームは変わっていく。ここを知っていると、昔の映像を観る楽しみがひとつ増えます。

「シュー」の唱和

天山がこの技に入るときの独特の呼吸に合わせて、会場から「シュー」の唱和が飛び交うのが恒例になりました。技そのものより、この一体感が先に語られる打撃技はそうそうありません。

「モンゴリアン」は技名であると同時に、天山の”所作”そのものになっていたわけです。

天山広吉さんといえば、もうひとつの代名詞が複合サブミッションのアナコンダバイス。こちらはアナコンダバイスとは?やり方を【図解】5ステップで完全分解で、カルガリー遠征での開発秘話から2003年G1決勝の名場面まで丸ごと解説しています。打撃の看板と締めの看板、両方そろえて読むと天山という選手の全体像が見えてきます。

⚔️ 2021年「封印マッチ」――技を賭けた一戦と”真”モンゴリアン誕生

ここからが、この技の物語のクライマックスです。

発端:同じ技を使う2人

2018年6月、当時まだ本名の岡倫之として戦っていた若手が、山形大会で天山広吉さんとタッグを組みました。彼は同じ月の30日、英国の大会に「ザ・グレート・オーカーン」として現れます。

のちに天山さんは、東スポの取材に「モンゴリアン使ってる時点で『ふざけんな』って思ってましたから」と語っています。

2021年1月30日:技を賭けた「封印マッチ」

ところが2020年10月に新日本のリングへ現れたO-カーンは、ユナイテッド・エンパイアの一員として天山に牙をむきます。そして組まれたのが2021年1月30日『THE NEW BEGINNING in NAGOYA』の〈敗者モンゴリアンチョップ封印マッチ〉。

負けたほうは、二度とモンゴリアンチョップを使えない。

結果はO-カーンの勝利。天山は自分の代名詞を失いました。長年使い続けてきた技を、力ずくで奪い取られた格好です。

2021年2月28日:「真モンゴリアン・チョップ」で復活

しかし話はここで終わりません。約1か月後の2021年2月28日、天山は「我慢の限界」とばかりに、技名を「真モンゴリアン・チョップ」と改めて封印を解きます。「もう普通のモンゴリアンちゃうねん」「“真”モンゴリアンチョップ」(デイリースポーツ)――このコメントがいい。

技名を1文字足して契約の網をすり抜ける。屁理屈と言えば屁理屈です。でも私は、これがプロレスのいちばん豊かなところだと思っています。ルールで縛られたら、名前を変えてでも生き延びる。それも含めて”技を守る”ということなんですよ。

🥋 この技が好きなら、次はコレ
▶ 逆水平チョップ──もう一方のチョップの王道
▶ アナコンダバイス──天山広吉さんのもうひとつの代名詞
▶ パラダイスロック──同じG1 36 Aブロック・SANADA選手の魅せ技
▶ プロレス技 一覧【図解】──全8ジャンルの技をまとめて見る

👑 継承者・グレート-O-カーン版は何が違うのか

現在のモンゴリアンチョップの主はグレート-O-カーン選手(本名・岡倫之)。2012年のレスリング全日本選手権フリースタイル120kg級を制した本格派で、2016年に新日本へ入門し、翌2017年1月にデビューしています。

天山さんにとっては、若手時代から30年近く使ってきた看板技。O-カーン選手にとっては、封印マッチで守り抜いた技です。

O-カーン選手は、2018年6月に英国で「ザ・グレート・オーカーン」として現れた試合で、セカンドロープからのダイビングモンゴリアンチョップで勝っています。

そのO-カーンは、G1 CLIMAX 36(2026年7月11日・米シカゴ開幕〜8月16日・両国国技館の優勝決定戦)にAブロックで出場しました(優勝は大岩陵平選手)。

大会全体の見どころと優勝候補はG1 CLIMAX 36 優勝予想と中盤の見どころにまとめました。O-カーンが所属するユニットの成り立ちは【軍団列伝⑥】ユナイテッド・エンパイア、同じAブロックを戦うSANADA選手の代名詞はパラダイスロックとは?やり方・解き方【図解】でどうぞ。技を知ってから観ると、同じ試合が別物になります。

モンゴリアンチョップは、総合格闘技のリングにも現れています。桜庭和志選手は1999年の試合でこの技を出し、「誰も使わない技を使ったら面白いな」と思った、と東スポの連載で振り返っています。

✋ 逆水平チョップとの違い|見分け方は「手の数」

初心者がいちばん混同するのが、チョップの二枚看板・逆水平チョップとの違いです。ここは覚え方が単純で助かります。

項目モンゴリアンチョップ逆水平チョップ
手両手・同時片手
軌道上から斜めに振り下ろす横に水平に走らせる
打点首筋〜肩口胸板
音ドスッと鈍いパーン!と乾いた炸裂音
見せ方声と溜めで場を作る打ち合いの根性比べになりやすい

両手で上から落ちてきたらモンゴリアン、片手で横に走ったら逆水平。これだけで一生迷いません。

音の違いも面白いところで、胸板を張る逆水平が”聴かせる”技なのに対し、モンゴリアンチョップは相手が沈む絵で”見せる”技。同じチョップでも設計思想がまるで違います。

チョップの世界をもっと掘るなら、逆水平チョップの威力対決へ。小橋建太さん・佐々木健介さんら”打ち合いの鬼”たちの世界です。

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❓ モンゴリアンチョップに関するよくある質問

Q1. モンゴリアンチョップのやり方は素人でも真似できますか?

A. 絶対に真似しないでください。本記事は観戦理解のための技術解説です。専門訓練を受けていない人が他人に打ち込むと、大けがにつながります。

Q2. モンゴリアンチョップはモンゴルに伝わる技ですか?

A. 違います。この技は、モンゴル人キャラクターで活躍したキラー・カーンさんの得意技として知られています。そのカーンさん自身も、本名・小沢正志さんという新潟県出身の日本人レスラーです。モンゴルの伝統武術とは関係ありません。

Q3. モンゴリアンチョップは誰の技ですか?

A. キラー・カーンさんの得意技として知られ、引退後に代名詞としたのが天山広吉さん、現在の継承者がグレート-O-カーン選手です。総合格闘技では桜庭和志選手も使っています。

Q4. 天山広吉さんの「シュー」って何ですか?

A. 天山が独特の呼吸でモンゴリアンチョップに入るのに合わせて、会場のファンが「シュー」と唱和するのが恒例になったものです。技を出す前から場内が一体になる、プロレスでも数少ない”参加型”の打撃技になっています。

Q5. なぜ「真モンゴリアン・チョップ」という名前なんですか?

A. 2021年1月30日『THE NEW BEGINNING in NAGOYA』の「敗者モンゴリアンチョップ封印マッチ」でグレート-O-カーン選手に敗れ、技を封印させられたからです。しかし同年2月28日、天山は「我慢の限界」として技名を「真モンゴリアン・チョップ」と改め、封印を解きました。名前を変えることで復活させた、というプロレスらしい決着です。

Q6. グレート-O-カーン選手のモンゴリアンチョップは天山さんと何が違いますか?

A. 天山さんにとっては若手時代から30年近く使ってきた看板技、O-カーン選手にとっては封印マッチで守り抜いた技です。O-カーン選手は、セカンドロープから放つ「ダイビングモンゴリアンチョップ」も使っています。

Q7. 逆水平チョップとの違いは?

A. 手の数と軌道です。モンゴリアンチョップは両手を同時に上から振り下ろして首筋〜肩口を打つ技、逆水平チョップは片手を横に走らせて胸板を張る技。「両手で上から=モンゴリアン、片手で横=逆水平」と覚えれば迷いません。

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⚠️ 再々掲・免責:本記事はあくまで観戦理解・技術構造の解説目的です。プロレス技を一般の方が他人にかけることは、極めて危険な行為であり、絶対に真似しないでください。

🐄 ウッシのひとこと:技は、人から人へ渡っていく

モンゴリアンチョップの歴史を追っていて、いちばん胸に残ったのは「この技はずっと、誰かから誰かへ渡されてきた」という一点でした。

アメリカでモンゴルの怪人を演じた日本人レスラーの得意技を、寮でビデオを観ていた若手が先輩に勧められて拾い上げ、30年かけて「シュー」の唱和が起きる名物にまで育てた。その技を今度は後輩に奪われ、名前を変えて取り返した。誰ひとり、この技を独り占めできていないんです。

私は21歳で営業に異動して、最初のメーカー研修でボロクソに否定されました。「お前ら代理店は営業失格だ」と。その担当者と一度だけ夜ご飯に行って、「どうやったら営業マンになれますか」と聞いたとき、返ってきた言葉が忘れられません。「ミッキーマウスはぬいぐるみを着たらミッキーになる。自分が思う良い営業マンのぬいぐるみを着て、なりきれ」。

これ、キラー・カーンさんがやったことと同じですよね。新潟の小沢正志さんが、“蒙古の怪人”になりきった。その人の得意技が、45年以上たっても新日本のリングで打たれている。ぬいぐるみを着て演じ切った人だけが、後の世代に渡せるものを作れる。牛マスクを被ってブログを書いている私が言うのもなんですが、あの言葉の意味を、この技の系譜が証明してくれた気がしています。

営業20年目やってきて思うのは、仕事も同じだということ。自分が磨いた売り方も、引き継いだ先の後輩が別の形に育てていく。奪われたと感じることもあるけど、渡した先で技が伸びるなら、それは技のほうが勝ちなんですよ。

次にO-カーンがモンゴリアンチョップを構えたら、その背中にキラー・カーンさんと天山広吉さんが乗っかっていると思って観てみてください。プロレスが何倍も面白くなります。マイペースにいきましょう🐄

営業部長のウッシでした。

📚 出典・参考(2026年10月9日確認・16件)

※本記事の技術構造の記述は、上記の一般公開情報にもとづく解説です。打ち方の細部は選手により異なります。


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